...塔は緑瓦を畳むこと十三層...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...その扇を畳むに連れて...
泉鏡花 「歌行燈」
...起き上つて蒲団を四つに畳むだ...
薄田泣菫 「茶話」
...彼女は意地悪の指で丹念に手紙を畳むと...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...床を畳む元気もないじゃないか...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...若い親方はプログラムを畳む...
寺田寅彦 「雑記(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...」浅井はお今の長襦袢を畳むとき...
徳田秋声 「爛」
...昔(むか)しながらの翠(みど)りを年ごとに黒く畳むと見える...
夏目漱石 「虞美人草」
...苔(こけ)を畳む煩(わずら)わしさを避けて...
夏目漱石 「虞美人草」
...浮き立ての蓮の葉を称して支那の詩人は青銭(せいせん)を畳むと云った...
夏目漱石 「虞美人草」
...――傘(かさ)は、畳むがいい...
夏目漱石 「二百十日」
...その頃は東京の家を畳むとき...
夏目漱石 「門」
...東京の家を畳むとき宗助は先祖の位牌を一つ残らず携(たずさ)えて...
夏目漱石 「門」
...世帯を畳む人の払い物の中から...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...半紙を四つに畳むと...
野村胡堂 「百唇の譜」
...反物を畳む、がっしりした小机とか、定木(じょうぎ)とか、模様ものの下絵を描いた、西の内紙で張って、絹さなだ紐をつけた、お召物たとう紙などが残っていたり、将軍さま御用の残り裂れで、人形の帯や巾着(きんちゃく)が出来ていたが――もっとも、明治十二年の大火に蔵だけ残して丸焼けになって、本所の回向院(えこういん)境内まで、両国橋を渡って逃げたということであるから、住居の具合は変りもしたであろうが、とにかく、五軒間口の塀は、杉の洗い出しであったし、門は檜の節無しを拭き込んで、くぐり戸になっていたし、玄関前までは御影石(みかげいし)が敷きつめてあって、いつも水あとの青々して、庭は茶庭風で、石の井筒も古びていた...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...従僕はさっそく、婦人の乗りこんだ後の扉をしめて、蹈段を折畳むと、革紐につかまって馬車の後部へ飛び乗りざま、馭者に向って、『やれ!』と叫んだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...枕辺(ちんぺん)に置いてあるハンカチイフを左手(さしゅ)に把(と)って畳む...
森鴎外 「渋江抽斎」
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