...……この度の参宮には、都合あって五二館と云うのへ泊ったが、内宮様(ないぐうさま)へ参る途中、古市(ふるいち)の旅籠屋、藤屋の前を通った時は、前度いかい世話になった気で、薄暗いまで奥深いあの店頭(みせさき)に、真鍮(しんちゅう)の獅噛火鉢(しかみひばち)がぴかぴかとあるのを見て、略儀ながら、車の上から、帽子を脱いでお辞儀をして来た...
泉鏡花 「歌行燈」
...略儀ながら取りあえず葉書を以て申上候儀は貴店御発行の能率新報最近号のうち「国民皆農私説」は非常なる御卓見と存じ...
中里介山 「百姓弥之助の話」
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