...階子段(はしごだん)の裏を抜けると、次の次の、応接室の扉(ドア)は、半開きになって、ペンキ塗の硝子戸入(がらすどいり)の、大書棚の前に、卓子(テイブル)に向って二三種新聞は見えたが、それではなしに、背文字の金の燦爛(さんらん)たる、新(あたらし)い洋書(ブック)の中ほどを開けて読む、天窓(あたま)の、てらてら光るのは、当女学校の教頭、倫理と英文学受持…の学士、宮畑閑耕...
泉鏡花 「婦系図」
...道の西手に一段低い畑には...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...麦畑はようやく黄ばみかけてきた...
伊藤左千夫 「春の潮」
...同家の芋畑に遊びいたるを長右衛門ふと見ると...
井上円了 「おばけの正体」
...毎月十五日円山の牡丹畑で開かれました...
上村松園 「明治懐顧」
...帝都とは似てもつかぬ草原と田畑だったのだ...
海野十三 「空襲葬送曲」
...掃苔や十三代は盲なる 素顔秋晴やあるは先祖の墓を撫し 虚子それから又一つの畑に導いた...
高浜虚子 「椿子物語」
...・春もどろどろの蓮を掘るとや・春がゆくヱンジンが空腹へひびく・くもりおもたい蛇の死骸をまたぐ・食べるもの食べつくし雑草花ざかり・春はうつろな胃袋を持ちあるく・蕗をつみ蕗をたべ今日がすんだ・菜の花よかくれんぼしたこともあつたよ・闇が空腹・死ぬよりほかない山がかすんでゐる・これだけ残してをくお粥の泡・米櫃をさかさまにして油虫・それでも腹いつぱいの麦飯が畑うつ・みんな嘘にして春は逃げてしまつたどしやぶり...
種田山頭火 「其中日記」
...小畑の胸にもかれの胸にも中学校時代のことがむらむらと思い出された...
田山花袋 「田舎教師」
...横ざまに畑の石垣にもたれた...
壺井栄 「赤いステッキ」
...一枚の畑は、幅が四十間から五十間くらい、長さが二町から三町あって、縦にずっと畝(うね)が通っているわけである...
中谷宇吉郎 「コロラド通信」
...「畑元帥が広島に来てゐるぞ」と...
原民喜 「壊滅の序曲」
...この屋敷続きの畑を潰して...
牧野信一 「毒気」
...花の畑を見るやうでした...
宮原晃一郎 「動く海底」
...桑畑や大根畑に成つて居て...
與謝野寛 「蓬生」
...山屋敷いちめんの畑や蔵や役宅や埋(うず)め門や...
吉川英治 「江戸三国志」
...蕎麦(そば)畑もある...
吉川英治 「新書太閤記」
...溝へ落ちたり畑土へ転んだりしたとみえて...
吉川英治 「源頼朝」
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