...それというのが、村のもの誰一人の例外もなく、それまで、田のあぜであり、畑のふちであると考えて、それ以上のことはてんで詮索しようとしなかった山腹や川沿いの荒地(それなしには傾斜地のことで田の用水は保たず、畑地にあっては、耕土の流亡を免れない場所)それが実は官有地であって、『荒蕪地』という名目のもとに大蔵省の所管に属していたとかで、そしてそれだけなら何も問題はなかったのであるが、そこが改めて民間に払下げられることになったという、……もう十七八年も前の話に遡らなければならぬいきさつなのだ...
犬田卯 「荒蕪地」
...畑はどこも青々としていて...
海野十三 「暗号数字」
...申し合せたように青い葉の色で畑の健康を維持しているなかに...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...裏の甘蔗畑が月に照らされて一枚一枚の甘蔗の葉影も鮮やかに数へることが出来た...
太宰治 「地図」
...暗い竹藪(たけやぶ)や荒れた畑地もあった...
徳田秋声 「あらくれ」
...僕は畑の番人をしてるから...
豊島与志雄 「塩花」
...麥搗(むぎつき)でも米搗(こめつき)でも畑耕(はたけうねえ)でも何(なん)でも百姓仕事(ひやくしやうしごと)は行(や)んでさ...
長塚節 「土」
...しかし実際の畑についてこの方法を実施するには...
中谷宇吉郎 「農業物理学夜話」
...滝が機会さへあれば如何な畑違ひの人間とでも取り組んで馬鹿/\しい騒ぎを演じる……それが想つても堪らないのであつた...
牧野信一 「雪景色」
...二人は図々しく郊外の畑道を歩いた...
松永延造 「職工と微笑」
...麦畑の二段や三段...
三好十郎 「斬られの仙太」
...切替畑の利用法から脱却したのである...
柳田國男 「地名の研究」
...草生地では多分焼畑も永くは作られず...
柳田國男 「地名の研究」
...縄帯しめて――痩(や)せた畑を...
吉川英治 「脚」
...幼い一本(ひともと)の武蔵野の草をわが畑へ入れたことが...
吉川英治 「私本太平記」
...半日の間も、畑の耕作や、各の仕事を休んでくれるな...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...彼らは畑の真中(まんなか)で止まる...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
...もううす赤くなりかけた夕日のなかを疲れ切って歩いて来ると片方(かたえ)は麦畑になっている...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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