...僕らのうしろからは下町風の質素な身なりの身だしなみのよい母娘が乘つてきて向ひ側に腰をかけた...
小穴隆一 「二つの繪」
...小意気な下町風の若い奥様が立つてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...お国は下町風の扮装(つくり)をしていた...
徳田秋声 「新世帯」
...」その家はさうこせ/\した下町風(したまちふ)に気取つてもゐなかつたし...
徳田秋聲 「草いきれ」
...渡小屋(わたしごや)の前(下巻第五図)には寮(りょう)にでも行くらしき町風(まちふう)の女づれ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...あるひは町風(まちふう)と屋敷風とを論ぜず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...便所によって下町風な女姿が一層の嬌艶(きょうえん)を添え得る事は...
永井荷風 「妾宅」
...下町風の若い未亡人の姿は...
永井荷風 「来訪者」
...娘の方は下町風の育て方で...
夏目漱石 「行人」
...町風呂へ行くと見せて女に逢ひに來るやうな男が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そのころ江戸中に流行(はや)り始めた町風呂の湯女には...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...彦太郎の方は町風呂へ行つて碁會所へ顏を出して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一般の人達は町風呂へ行くのが精一杯...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...町風(まちふう)に内輪(うちわ)ながら早足(はやあし)に歩いて行く後姿なんかを思いながらフイと番地を聞いて置かなかった...
宮本百合子 「秋風」
...ゆうべその店先に女のひとが坐って客と話していてその女のひとはやっぱりどこか下町風で...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...東京に千束町風又は千束町式...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...町風呂でさへ、江戸開府の慶長末年にできたのが珍らしがられたといふほどであるから、貴紳の女子などはべつとして、一般の女性といふものは、昔はずゐぶんうす汚いものであつたらうと思ふ...
吉川英治 「折々の記」
...落着いた中に城下町風情がある...
吉川英治 「宮本武蔵」
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