...そのなかに七歳(なゝつ)ばかりの男の児(こ)が...
薄田泣菫 「茶話」
...白ゆかたを着た細長い十五六の男の児が立っている...
太宰治 「悶悶日記」
...男の児と云つては...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...独りでにこんなにお湯が出るの?』男の児は目をるやうにして言つた...
田山花袋 「子供と旅」
...男の児は大きい湯壺をわが物にして泳いで廻つた...
田山花袋 「子供と旅」
...男の児はいつも黙つて見て居る方であつた...
田山花袋 「子供と旅」
...私男の児がほしいんだけれど...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...時とするとそれらの男の児の群れには...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ふたりの小さな男の児は裏の中庭で遊んでいて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...丸裸の男の児が駈けて来る...
中島敦 「狼疾記」
...あの可愛らしい男の児が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...御者とならんで十一二の男の児が冬外套を着てのっかって行く...
「赤い貨車」
...男の児はじぶくっている「お父ちゃまとお風呂に入りたいんだよ」ウェーンウェーン母親はミシンを動しているこれから生れる子供のために椅子の上には赤い毛糸の足袋で小さい女の子が笑っている「お父ちゃまと一緒に入りたいんだってえば」母はなおミシンを動している...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...男の児の白粉をつけた顔...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...これは正(まさ)しく男の児(こ)なりき...
柳田国男 「遠野物語」
...まだ生れないうちから男の児(こ)ときめておいでになったらしいことが...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...もし二人の間に男の児(こ)が生まれるような事があった時に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...菊村宮内(きくむらくない)は、きのうはからず阿弥陀街道(あみだかいどう)の茶店(ちゃみせ)で、この女房(にょうぼう)がわるい街道人足(かいどうにんそく)に迫害(はくがい)されているのをみかけて助けたことから、ここへくるまでのみちみちに、その身の上を聞いたので、「わたしが代(かわ)って――と申しては、まことにさしでがましいようでござるが、なるべく多くの人さまに、聞いていただいたほうが、この方(かた)のため、ぞんじているだけをお話しいたしますが」と、人なかでは、口のきけない巡礼の女房にかわって、「じつはこの女(ひと)は、甲州(こうしゅう)の水晶掘(すいしょうほ)りの女房で、お時(とき)といいますが、わけがあって自分のひとりの児(こ)をたずねあるいておるんです」「へえ、子供をね……ふうむ……それやかわいそうなこった」「どこかに、生きていれば十四、五になる男の児、おさない時に、伊勢参(いせまい)りのとちゅうではぐれたままなので、なんの証拠(しょうこ)もなさそうですが、たッた一つ……」「ふム、ふム」と、一同の目は、お時(とき)と宮内(くない)にあつまった...
吉川英治 「神州天馬侠」
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