...甲板(かんぱん)ではゆっくりもできませんで...
有島武郎 「或る女」
...又、本の册數や、種類や、それを讀む時間によつてでなく、各人の必要の平等であることを基礎として定められた今日の圖書館の均一見料制を是認し、且つ便利として一言の不平も洩らさぬ人々が、如何してそれとは全く反對な、例へば甲、乙の二人があつて、その胃嚢を充たすに、甲は四箇の麺麭を要し、乙は二箇にて足るといふやうな場合に、その胃を充たさんとする必要に何の差等なきに拘らず、甲は乙の二倍の代償を拂はねばならぬといふ事實を同時に是認するであらうか...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...四つ這(ば)ひになつて甲虫(かぶとむし)の真似をしたりした...
薄田泣菫 「茶話」
...丁はさらに鞠躬如(きっきゅうじょ)として甲にお掛けなさいと言う...
太宰治 「惜別」
...甲府勤番の役人が詰めています...
中里介山 「大菩薩峠」
...おのおの方、そのお玉という者をいかなる素性の女子と思召す、姿こそ美しけれ、歌こそ上手なれ、それは彼地(かのち)にてほいとというて人交りのならぬ身分の者、一夜泊りの旅人さえも容易に相手に致さぬ者を、知らぬ土地とはいえ、この甲府へ来て、あの出世、氏(うじ)のうして玉の輿(こし)とはよく言うたもの...
中里介山 「大菩薩峠」
...甲府にいた時と同じような姿であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...杖の上に置いた手の甲に顔をうずめて泣きましたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...甲府から来る石工の若いのを誘惑したりして...
中里介山 「大菩薩峠」
...「甲野さん...
夏目漱石 「虞美人草」
...甲は、「別に仲の悪いことはない、永い間の友人だから」といえば、乙はやや驚いた顔して、「何のためだろう、丙はあちこちで君の悪口(わるくち)を言い歩くよ」と告げたので、甲はいかにも意外に思い、しばしば会っているに丙は自分に対し別に悪意を懐(いだ)かぬようだが、それでかれこれ自分を非難するのは合点(がてん)がゆかぬと思うと同時に、して見ると丙は余程、二心(ふたごころ)あるもので、僕に向かってはよい顔しながら、蔭(かげ)にまわると悪口する、はなはだ卑(いやし)むべき人であると思って以来、丙を見てもロクに挨拶(あいさつ)しなくなった...
新渡戸稲造 「自警録」
...すべて甲の類を用いるということが言えるのであります...
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...甲賀氏が中へ入ったわけ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...○食物が胃中にて脳の中毒作用を起したるものは甲状腺にて防禦すれども腸に入れて門脈へ流入する毒分は肝臓にて消毒および解毒さる...
村井弦斎 「食道楽」
...甲斐はまた、射ったのは誰だ、と云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...あたしのほうを見ていたんです」甲斐はふと息をころした...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...ばあやと向うで遊んでおいで」と甲斐が云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「とうとう甲を脱いだな...
横光利一 「旅愁」
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