...鼈甲(べっこう)の中指(なかざし)に影が透く艶やかな円髷(まるまげ)で...
泉鏡花 「婦系図」
...甲板(かんぱん)へ――...
海野十三 「火薬船」
...君が斯くまで言う甲斐のないお方であろうとは存じませなんだ...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...また甲乙二物体の温度の差でも触覚で区別できる差は寒暖計で区別できる差よりははるかに大きい...
寺田寅彦 「物理学と感覚」
...甲府からあっただけでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...甲府の城内へも、いつ出かけていつ到着するという沙汰なしに出かけましたから、出迎えの来るべき模様もありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...甲府のお城の殿様でございますね」とお君が受取りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...必ず甲か乙かのどっちかでなくては承知できないのです...
夏目漱石 「行人」
...甲高い鋭い汽車の汽笛...
林芙美子 「暗い花」
...また同書に「一種奥州会津大塩村ニ権六グルミト云アリ核小ニシテ圧口(ヲジメ)子トナスベシ是穴沢権六ノ園中ノ産ナル故ニ名ヅクト云甲州ニモコノ種アリ」と書いてある...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...……でもその頃から目に見えて甲州からかえってきていた師匠圓生の受けは悪くなった...
正岡容 「小説 圓朝」
...甲府公へ諌言したゝめ無礼討に遭ひ...
正岡容 「根津遊草」
...甲乙に先だって丙丁とは命名し得ぬためであった...
柳田國男 「地名の研究」
...村岡櫟斎(れきさい)翁の『甲信紀程』に軽井沢は涸渓(かれさわ)の義ならんとあり...
柳田國男 「地名の研究」
...甲斐は静かな眼で...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...小野は国老になるだろう」そう云って甲斐は小窓のほうへ振向き...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...甲斐はそれらの芸をたのしむというふうでもなく...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「お馬鹿ちゃんだよ、お前さんは、何をメソメソしているのだえ」夕化粧をしながら、後家のお甲は、叱っていた、そして、炉ばたにいた武蔵を、鏡の中から、睨みつけた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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