...鼈甲(べっこう)の櫛笄(くしこうがい)が重そうに光っている高島田が眼にはいった時...
芥川龍之介 「疑惑」
...陸奥丸(むつまる)甲板上の五時間半...
石川啄木 「閑天地」
...間もなく福富は先刻の葉書を持つて來て甲田の卓に置いて...
石川啄木 「葉書」
...大地主と船長とは甲板に留(とど)まり...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...故人は其作代が甲斐々々しく骨身を惜まず働く事を人毎(ひとごと)に誉(ほ)めて居た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...それを貴様は同郷人だと言いながら、言語道断にこき卸す、奇怪(きっかい)な奴だ――」百六十六南条力がこう言ってよたとんを睨(にら)みつけると、五十嵐甲子雄も、おさえ難い義憤を感じていたと見えて、「いかにもいかにも、あれだけの人物を、単にただ日傭取(ひようと)りのお雇い壮士のようにこき卸すのは、近藤に対する侮辱のみではない、天下の豪傑に対する冒涜(ぼうとく)だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...「無礼者ッ」「気違いッ」人波に乗込んだ甲斐守の馬蹄は...
野村胡堂 「礫心中」
...甲の類 衣、依、愛、哀、埃、英、娃、翳、榎、荏(これは「榎(エ)」「蝦夷(エゾ)」「得(エ)」等の語に用いられる)乙の類 延、要、曳、叡、江、吉、枝、兄、柄(これは「枝(エ)」「兄(エ)」「江(エ)」「笛(フエ)」「(ヌエ)」「吉野(エシヌ)」「消(キエ)」「絶(タエ)」「越(コエ)」等に用いられる)こういう仮名は、甲の類も乙の類もすべて我々が「エ」と読んでいる仮名であります...
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...それは甲板にあるもので疾風が最初におそってきたとき海のなかへ吹きとばされなかったただ一つの物です...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...頼み甲斐なき虫のやうなものになつて...
牧野信一 「小川の流れ」
......
三好達治 「短歌集 日まはり」
...もうひと言だけ訊(き)いていいですか」甲斐は七十郎を見た...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...あまり驚いたので、泣いていたのも止まり、涙だらけの顔で、あっけにとられたように、甲斐を見あげた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...何か甲谷がお杉に釘を打つようなことをしたのではないか...
横光利一 「上海」
...姿を変えて甲府の鍛冶の家に火土(ほど)捏(こ)ねをしていた姿は思い出される...
吉川英治 「上杉謙信」
...いずれへお越しで」「甲ノ尾へ行くのだ...
吉川英治 「私本太平記」
...そのすがたは甲冑(かっちゅう)の仏像のようだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...鼠木綿(ねずみもめん)の手甲脚絆(てっこうきゃはん)に掛絡(けらく)...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索