...甲羅(かふら)だけでも盥(たらひ)ほどあるすつぽんだつたなどと話してゐた...
芥川龍之介 「本所両国」
...甲板のものかげへひっぱっていって...
江戸川乱歩 「仮面の恐怖王」
...太い鼈甲縁(べっこうぶち)の目がねをかけ...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...』堅甲光るヘクトール其時答へて彼に曰ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...車返(くるまがえし)から甲州街道筋へ出て...
中里介山 「大菩薩峠」
...父が死んでからの甲野さんは...
夏目漱石 「虞美人草」
...誰が爲まもる操の色ぞ松の常盤もかくては甲斐なき捨られ物に...
一葉 「暗夜」
...口々に怒号しながら甲板へ駆けあがってきた...
久生十蘭 「ノア」
...村のあばらやの一室で花やかな長剣を振り翳しながら天国や地獄の夢を々と追ひまくつてゐるうちは甲斐々々しかつたが...
牧野信一 「鬼の門」
...たといその境雑(まじ)るもかくのごとし(『甲子夜話』続篇八〇)...
南方熊楠 「十二支考」
...甲州の御嶽(みたけ)の社の近くには日蓮上人などが...
柳田國男 「日本の伝説」
...菓子に対する子供の態度に甲と乙とがあるように...
山本周五郎 「新潮記」
...甲之助さんというお子もあって...
山本周五郎 「めおと蝶」
...甲斐はその大鹿が...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...甲州方の進撃路をきり拓(ひら)いて来た工兵である...
吉川英治 「新書太閤記」
...甲州へ随身なせば...
吉川英治 「新書太閤記」
...群雄天下にみち、各、この乱世の黎明(れいめい)を担(にな)うもの、万民の塗炭(とたん)をすくうもの、われなり、われを措(お)いて、人はあらじと、自負し自尊し、ここに中原(ちゅうげん)の覇業(はぎょう)を争っておりますが、すでに、偉材謙信は逝(ゆ)き、甲山の信玄亡く、西国の雄元就(もとなり)は、おのれを知って、子孫に守るを訓(おし)えて世を終え、そのほか浅井朝倉は当然の自滅をとげ、何人かよくこの大くくりを成し遂げて、次代の国土に文化に万民をして心から箪食壺漿(たんしこしょう)せしめるような大人物がおりましょうか、残っておりましょうや……指を折ってみるまでもないではございませぬか」「…………」秀吉は、そのとき、むくと面(おもて)をもたげた...
吉川英治 「新書太閤記」
...甲州にわたる信雄の与国は...
吉川英治 「新書太閤記」
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