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有島武郎 「星座」
...帰れん!豊年飢饉の村じゃ田甫(たんぼ)がなくて百姓はウヨウヨと押し合うているのだ百三十呎(フィート)の煙突の下で無数の飢えがガンガンのたうっているナメクジみたいな沢庵ばかり食わされてしわくちゃの胃袋がそろそろ不逞な考えを吹く昼の休み――便所に行ったらビラがあったダラ幹を蹴っとばせ!さしあげる手は団扇のように大きい指環の代りにガリを切るタコが固いお...
榎南謙一 「無念女工」
...皐陶の如く刑罰を掌つた者が重んぜらるゝのは――甫刑で伯夷の如く刑罰を掌つた者を重んずるも同樣であるが――法家名家の起つて以後の晩周の思想たることが知られるのである...
内藤湖南 「尚書稽疑」
...大鷲(おほとり)神社の傍(そば)の田甫の白鷺が...
永井荷風 「里の今昔」
...どなたでしたかね」「左様――蘭学で箕作阮甫(みつくりげんぽ)...
中里介山 「大菩薩峠」
...崕をおりて田甫へ出たら富山の寺がすぐ頭の上にあつた...
長塚節 「鉛筆日抄」
...田甫のあたりをぶらついて居るうちに西風が吹き出した...
長塚節 「教師」
...田甫の遙か先には菜の花の上に甍が聳えて見える...
長塚節 「菜の花」
...江戸仕立のほうでは箕作阮甫...
久生十蘭 「玉取物語」
...田甫道を行き尽して突きあたりの馬頭観音の傍らから坂道に差しかゝるまでそれとなく注意してゐたが...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...芭蕉がきわめておぼろに杜甫の詩想を認めしとは異なりしなるべし...
正岡子規 「俳人蕪村」
...山青花欲燃(やまあおくしてはなもえんとほっす)――杜甫の絶句そのままの眺めではないか――風雅の極じゃの」「兎角(とかく)近頃の人間は...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...田甫(たんぼ)が見え...
室生犀星 「京洛日記」
...字(あざな)は朴甫(ぼくほ)となつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...浅草田甫の酉の町吉原を目当てにした参詣の大群年中行事の酉(とり)の市(まち)...
山本笑月 「明治世相百話」
...これは潁川(えいせん)の朱雋(しゅしゅん)・皇甫嵩(こうほすう)の両軍に参加して...
吉川英治 「三国志」
...将軍は世の同情を失います」「勝手にしろ」「では」と、楊奉は、皇甫を、外へ連れ出して放してやった...
吉川英治 「三国志」
...王甫や関平は、諸方へ人を派して、「名医はないか」と、遍(あまね)く求めさせた...
吉川英治 「三国志」
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