...用心深く足に力を入れて...
芥川多加志 「四人」
...用心深く開かれたドアから...
石川欣一 「山を思う」
...だからなおさら我々は偶然に対していっそう用心深くならなければいけないのである...
伊丹万作 「演技指導論草案」
...一々記さなかったけれど、これらの会話は凡(すべ)て、用心深く、お互の耳から耳へ囁き交されたのである...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...用心深く六吋ほど引きあけてみた...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「若い僧侶の話」
...沈着にまた用心深くたどるのであった...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...王は用心深く盾(たて)を頭にかざして落ち入ったので捕える事ができなかった...
寺田寅彦 「春寒」
...シモーヌのほうは空想的であり用心深くて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いつも用心深くにやにやしていて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...湖畔に立って、烟波浩渺(えんぱこうびょう)たる湖面の夜に触れると、そこにまた、この男特有の感傷に堪えられないものがあって、「おい、琵琶を弾(ひ)く、めくらの、お喋(しゃべ)りの坊主やあーい、離れ島にたった一人で残された坊主――無事でいるか、やあい」こう言って、また慌(あわ)ただしく町の方へとって返して、前の如く軽快に、用心深く、深夜をあさってみたが、幾時かの後、町の辻の中央で、ぱったり足をとどめたかと思うと、急に飛び上って、地団駄を踏み、「そうら見ろ、言わねえこっちゃあねえ」果して、果して、米友の睨(にら)みつけた町の大路の真中に、人間が一人、まさに斬られて倒されている...
中里介山 「大菩薩峠」
...平次は用心深くこう言いました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...用心深く戸締りをすることは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...用心深く殼(から)の中へ入つて居るやうで」「それを俺は心配して居るんだ」「――」「でも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...用心深く頭をベッドのへりのほうに向けた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...すばやい足音と玄関の間に通じるドアを用心深く閉める物音とで目をさまされたように思えるのだった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...あとは用心深く世渡りするだろう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...それだから組閣のはじめに用心深くさまざまの疑獄事件にひっかかりそうな閣僚をさけました...
宮本百合子 「泉山問題について」
...用心深く首をさし伸ばして内部(なか)に這入った...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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