...用心深く茂の声を制しておいて...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...なにを命じるかをいささかも顧慮せぬゆえに」彼もまた用心深くあらねばならぬ...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...きっと、そのM・Tという人は、用心深く、妹からお友達の名前をたくさん聞いて置いて、つぎつぎとその数ある名前を用いて手紙を寄こしていたのでございましょう...
太宰治 「葉桜と魔笛」
...そんなに皮膚のやまいを嫌っているので、自然と用心深く、いままで、ほとんど吹出物の経験なぞ無かったのです...
太宰治 「皮膚と心」
...平素から用心深く世間に気取られないようにしていた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...そろそろと用心深くやりさえすりゃよかったんだ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「マリ・デル」
...お銀が用心深く鎖(とざ)した戸を推し開けて...
徳田秋声 「黴」
...だれかに聞かれやすまいかと用心深くあたりを見回すのであった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...用心深く話してゆくのであった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...用心深く外を眺めましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もう少し樣子を見なきや」平次は相變らず用心深く構へて容易に動きさうもありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...次に石に用心深くさわってみたが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...いつでも用心深く身体に当てた撞木杖(しゅもくづえ)をたよりに難儀しながら歩いていき...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...彼女は用心深く私を檢査してゐるらしかつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...用心深く頭を近づけた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...前にあれほど用心深く用意して張っておいた褥がないことに気がつかないわけにはゆかなかったからである...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「早すぎる埋葬」
...彼らが極めて用心深く冬の用意に魚を貯え...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...こはれ易い陶器の人形達は、「飛んだ荒々しい様子をした人だ」といつて、自然に用心深く、傍に寄らないやうにしてゐる...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
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