...君の周囲から蒸(む)れ立つ生臭い魚の香は強く部屋じゅうにこもったけれども...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...生臭い匂が小屋一杯になった...
有島武郎 「カインの末裔」
...彼が近づくと生臭い香いがあたりに香った...
有島武郎 「星座」
...しばらくは生臭い大きな掌でもって頭をぐるぐる撫でまわし...
海野十三 「軍用鮫」
...血生臭い香がプンと鼻をうつ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「黒猫十三」
...實生活の生臭い風にお顏を撫でられるのが...
太宰治 「お伽草紙」
...生きてびくびく動いているほどの生臭い...
太宰治 「女の決闘」
...おそろしい竜みたいな生臭い奇獣がうごめいている気配を...
太宰治 「人間失格」
...其処から生臭い鬼魅悪い臭がして来ます...
田中貢太郎 「人蔘の精」
...時々生臭い風が吹くの...
谷崎潤一郎 「細雪」
...生臭い匂いとぬるぬるした感触とが頭について離れなかった...
豊島与志雄 「金魚」
...そんなにしてやつとこさと一日の苦行をすませてさて帰る段となれば今度は生臭いびくがまた重荷となる...
中勘助 「銀の匙」
...サンゼンと生臭い匂いを二人の胃袋に通わせた...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...……鈎はまだ真新しいし、かいでみると、これが、ひどく生臭いな...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...強いて申そうなら、ちと生臭い...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...島の生臭い屋台店の並んだ坂の上の「チ・テレース」という料亭へおしあがった...
久生十蘭 「予言」
...天井のアメリカの漆喰(スタッコ)に生臭い味噌汁の湯気を吹きつけるころ...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...こうすると生臭い匂いがなくなって大層淡泊になります...
村井弦斎 「食道楽」
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