...という関係がある種の柔かい味と生硬な味とを材料そのものからして持っているように思われます...
上村松園 「絹と紙の話と師弟の間柄の話」
...しかし、あなたは、いつか日本の代議士がしたように、特にそのため、前の晩にホテルの寝台で読んで来た、政治哲学めいた翻訳書の知識から、生硬な二、三の問題を出して、彼を苦笑させたりしてはなりません...
谷譲次 「踊る地平線」
...字を見なければわからないあるいは字を見ても読めないような生硬な術語などをやめてしまって...
寺田寅彦 「写生紀行」
...高々単に歴史的知識の生硬な――人から習い覚えた――反覆であるか...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...生硬な造語や文法的な杜撰はその一徴表にすぎなかったので...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...もう少し生硬な文士はマイノングの対象論をまで持ち出して...
戸坂潤 「思想としての文学」
...この生硬な翻訳述語で考えたり書いたりした方が...
戸坂潤 「思想としての文学」
...科学というと何かギルド風にきまったテーマの選択や解決法があってそれから又無意味に生硬な言葉や気取った紋切型のいいあらわしで書いたり喋ったりすることでもあるかのような迷信が...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...墨(すみ)等の顔料(がんりょう)は皆そのままに独立して生硬なる色彩の乱雑を生ずるのみ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...西洋詩の生硬な直訳を思はせるやうな...
萩原朔太郎 「愛の詩集」
...又は生硬な象徴詩だといふ非難はあつても...
萩原朔太郎 「ふつくりとした人柄」
...而もその直した方が、生硬な、文法に合はないセリフなので、くさる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...生硬な表情...
北條民雄 「柊の垣のうちから」
...いかに一つの生硬な思想が濕やかな情緒のうちに見事に溶け込まされてゐるか?思想は一つの意匠であるか鬱蒼としげつた森林の樹木のかげでひとつの思想を歩ませながら佛は蒼明の自然を感じた...
堀辰雄 「「青猫」について」
...時々生硬な漢語などを交へた...
水野仙子 「女」
...極めて生硬な漢文体の古い表現で文章が書いて有つた...
水野葉舟 「言文一致」
...それでも生硬なのよりは増(まし)だと思うのは...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...現在の標準語においては生硬なる近年の造語までも引っくるめて...
柳田國男 「地名の研究」
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