...新刊書類の建看板が未に生乾きのペンキの(におい)を漂わしている後から...
芥川龍之介 「妖婆」
...すなわち、生乾きの、香しい草が厚さ一尺、その上に着茣蓙を敷いた一坪ばかりの座敷、屋根は純白の天幕である...
石川欣一 「可愛い山」
...その生乾きの具合がいかにもうまそうなので...
石川欣一 「比島投降記」
...生乾きの石膏はぶよぶよして...
梅崎春生 「狂い凧」
...生乾きの掌で数珠(じゅず)をしごくような音だった...
梅崎春生 「庭の眺め」
...あのづぶ濡れになつた下半身がいつのまにか生乾きになり...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...洗濯物は少しは生乾でもよい...
長塚節 「旅行に就いて」
...昨日の雨で生乾(なまかわ)きの大地には...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夜の潮に汚れた生乾きの髮が崩れて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...生乾きの賽ころが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...犯人は料理場の生乾きの壁に凭れていた...
久生十蘭 「魔都」
...生乾きの壁の面に残っていた証跡に対する細かい説明を省きました...
久生十蘭 「魔都」
...まだ生乾きになっているのを認めた...
久生十蘭 「魔都」
...生乾きの壁に凭れてひそんでいると...
久生十蘭 「魔都」
...生乾(なまがわ)きに似た壁の匂いがムッと鼻を衝いて...
正岡容 「小説 圓朝」
...鮠(はや)の生乾(なまび)が好きなんだが...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...生乾(なまがわ)きの荒壁みたいな顔をしていたのである...
吉川英治 「新書太閤記」
...またどいつかが悪い量見を起さねえとも限るまい」生乾(なまがわ)きの着物を抱え...
吉川英治 「宮本武蔵」
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