...生れ故郷をはなれ...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「モミの木」
...私の生れ故郷は、瀬戸内海の波の音のきこえる小村で、春になると、桜鯛がよく網に上った、それを売り歩く魚商人の声が、陽気に村々に聞えて来ると、村人は初めて海の春が、自分たちの貧しい食膳にも上るようになったのを喜んだものだ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...おれの生れ故郷へ行くさ...
太宰治 「薄明」
...天鼓はこの曲を聞いて生れ故郷の渓谷を想い広々とした天地の陽光を慕(した)ったのであろうが佐助は春鶯囀を弾きつつどこへ魂を馳(は)せたであろう触覚の世界を媒介(ばいかい)として観念の春琴を視詰(みつ)めることに慣らされた彼は聴覚によってその欠陥(けっかん)を充(み)たしたのであろうか...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...生れ故郷のことを考えはじめる...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「グーセフ」
...自分の生れ故郷に対して...
豊島与志雄 「故郷」
...彼等は石狩川を己の生れ故郷とするであろう...
豊島与志雄 「故郷」
...生れ故郷の……という歌」「生れ故郷の氏神(うじがみ)さんの...
中里介山 「大菩薩峠」
...久しぶりにわが生れ故郷の東京に新らしい世帯を持つ事になった彼の懐中には一片の銀貨さえなかった...
夏目漱石 「道草」
...私の生れ故郷は、海から三十里も引っこんでいた...
野村胡堂 「胡堂百話」
...生れ故郷の江戸に還って来て...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...生れ故郷の土地へ帰ろうって...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...生れ故郷の追分をお前の絃(いと)で流しの稼ぎだ...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...生れ故郷へ帰れ」万三郎は籠をあけながら云った...
山本周五郎 「風流太平記」
...ようやく生れ故郷へ帰って来たんだが...
山本周五郎 「やぶからし」
...生れ故郷に来(き)は来(き)たが...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...生れ故郷であってみりゃしかたがねえ」と縁側いッぱいに足を投げだして...
吉川英治 「江戸三国志」
...この岐阜(ぎふ)の御城下でも、生れ故郷でも、広い天下の何処へでも、行きたい所へ行ってみる事ができます...
吉川英治 「茶漬三略」
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