...それは茎の根元から切り取った生け花らしいもので...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...父はどうかしてもっとよく見ようとしているらしく生垣に沿うてうろうろしながら場所をあっちこっち取りかえたりしましたけれどもどうしても生け花が邪魔になるような位置にあるのでござります...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...それはまだ母が勤め奉公時代に父と母との間に交された艶書(えんしょ)、大和の国の実母らしい人から母へ宛(あ)てた手紙、琴、三味線、生け花、茶の湯等の奥許(おくゆる)しの免状(めんじょう)などであった...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...何しろその当時から三四十年前と云えば、ちょうど維新(いしん)前後の変動に遭遇(そうぐう)しているのだから、母が身売りをした新町九軒の粉川と云う家も、輿入(こしい)れの前に一時籍(せき)を入れていた今橋の浦門と云う養家も、今では共に亡びてしまって行くえが分らず、奥許しの免状(めんじょう)に署名している茶の湯、生け花、琴三味線等の師匠(ししょう)の家筋も、多くは絶えてしまっていたので、結局前に挙げた文を唯一の手がかりに、大和の国吉野郡国栖村へ尋ねて行くのが近道であり、またそれ以外に方法もなかった...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...まず手近なところでたとえば生け花の芸術を考えてみる...
寺田寅彦 「映画芸術」
...生け花に限らず、造園でも同様である...
寺田寅彦 「映画芸術」
...生け花展覧会の批評などもややこれに類している...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...盆栽生け花のごときも...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...久しく打ちすてし生け花の慰み...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...茶の湯生け花のけいこまでした令嬢にゃ似合わンぞ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...その生け花には「川島家」の札ありき...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...生け花とめいめいくろうと乃至(ないし)素人ばなれのした技と楽しみをもち...
中勘助 「結婚」
...茶の湯生け花歌ヘエケエの親類見てえな」「詩歌管絃(しいかくわんげん)か琴棋(きんき)書畫だらう――...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...生け花を観賞している...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...コブラのとぐろが生け花の縄と化し...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...生け花が高価なツボに見事に飾られている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...生け花のお手伝いをさせてください...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...それに茶の道具とか、生け花とか、いろいろな時間があつて、この老人は一日たつぷりした暮しだなと思つた...
室生犀星 「故郷を辞す」
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