...他の独立国は実は名のみで三つのうちいずれかの国にすがらないかぎり生きて行けなくなっている...
伊丹万作 「一つの世界」
...桶の中には白い液体が生き物であるかのように独りで渦を巻いている...
海野十三 「殺人の涯」
...不気味な生きものの様に...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...――私は生きていられませんの...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「あの顔」
...花なくてどうして生きて行かれよう...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...帰らなくてどうして生きかえることができる...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「連城」
...―――「生きている道阿弥」に復(かえ)ることが出来たのは...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...・雑草よこだはりなく私も生きてゐる・しぐるゝや耕すやだまつて一人周二君を小郡駅に見送るプラットホームにて窓が人がみんなうごいてさようなら一月十三日晴れて風吹く...
種田山頭火 「其中日記」
...あいつどもは国民の生きたる源泉をまで害毒してしまっている...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...とにかく死ぬより生きているほうが好きだった...
永井隆 「この子を残して」
...十一「いけねえ、いけねえ」米友は茹(ゆ)でたようになって、隠(かくれ)ヶ岡(おか)のわが荒家(あばらや)へ帰って来ると、戸棚に隠れていたお玉が出て、「ムクは殺されてしまって?」「ううん、殺されやあしねえけれど助からなかった、古市の町へ逃げ込んで、大勢に囲まれているんだ、ムクのことも心配(しんぺい)だが、お前(めえ)と俺(おい)らもこうしちゃあいられねえ」「どこへ逃げましょうね」「どこと言って俺にも当(あて)はねえ、山の方へ逃げてみよう」「友さん、竿をどうしたの」「ばかばかしいやい、宇治山田の米友が商売物の竿を召し上げられちゃった」「誰かにあれを取られたの」「そんなことはどうでもいい、早く逃げなくちゃいけねえ、玉ちゃん、俺の背中へ乗っかりねえ」「わたしだって歩けますよ」「歩けるたって世話が焼けていけねえ、引担(ひっかつ)いで行くから遠慮をしなさんな」「でも、こんな大きな姿(なり)をして負(おぶ)さってはきまりが悪いから、歩けるだけ歩きますよ」「きまりが悪いどころの話じゃねえ、お前と俺はここを逃げると二度とふたたび、この土地へ足を踏ん込めねえんだ、山へ逃げ込めば山ん中で当分かくれて里へは出られねえんだ、だからここに有合せものの栗でも薯(いも)でもお米でも、みんなこの袋へ入れて俺(おい)らが担いで行くよ」「そうしましょう、それにしてもわたしはムクのことが心配になる」「心配しなさんな、俺らが町のやつらを嚇(おどか)しといたから、やつらもムクを殺しはしめえ、生きていりゃあ、ムクのことだから、山ん中にいようと谷底に隠れていようと、あとを尋ねて来るからなあ」「ほんとにそうだといいけれど」「そうに違えねえ」これらの連中の頭は実に単純を極めておりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...謂はば野心で生きてゐるのだ...
中原中也 「その一週間」
...独逸は今二年生きのびたであろうと言っているくらいである...
中谷宇吉郎 「硝子を破る者」
...まだ手紙は受け取らないよ」生きた証拠(しょうこ)「さあ...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...それだけ生きているのね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...Mさんが生きていてくれたら...
三好十郎 「肌の匂い」
...私は生き生きとした動きを示し...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...ほんとうに生きようとしていないノンキな似而非(えせ)芸術家が創作をやっている...
和辻哲郎 「創作の心理について」
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