...〔設問〕一 明治以前の日本の伝統美術で最も興味をもっているものは何か二 その理由芥川紗織一、土偶二、埴輪にはみられないプリミチーブな生命力――はげしく、生々しく、グロテスクなものを感じるからです...
芥川紗織 「現代作家は古典をどうみるか」
...白茶けた蟹の死んだのは、晒されたやうで、見すぼらしく、哀れに、みじめであるが、黒と赤とで彩られた稍大きい蟹が、手足處を異にして死んでゐるのを見ると、生々しくて、刺戟の強さは又格別である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...まだ生々しく露出してゐるので...
太宰治 「津軽」
...子供の生命の象徴のように生々しく親父の身体に伝わって来た...
田中英光 「箱根の山」
...あの古着屋の店にだらりと生々しく下って居る小紋縮緬の袷―――あのしっとりした...
谷崎潤一郎 「秘密」
...その新たに延びた部分だけが際立(きわだ)って生々しく見え...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...光りを浮べて生々しく輝いていた...
豊島与志雄 「波多野邸」
...二百年の後まで生々しく伝える音楽は少ないが...
野村胡堂 「楽聖物語」
...まだ生々しく残って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...しかし眼に見えぬ何かが生々しく感ぜられた...
北條民雄 「戯画」
...自分が立てた理論も生々しく説明した...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日闇夜」
...赤ペンキを生々しく塗ったポストがある...
松本泰 「秘められたる挿話」
...枝の折口の生々しく見える柿の木をいたいたしそうに...
水上滝太郎 「果樹」
...生々しく発展すべき性質のものだ...
宮本百合子 「気むずかしやの見物」
...生々しく甦って来て...
宮本百合子 「現実の問題」
...あんまり生々しくってもいかん...
村井弦斎 「食道楽」
...生々しく美しい鼻を眺めた...
室生犀星 「蛾」
...生々しく瞼(まぶた)に甦えり...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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