...俺は昔(むか)しお万の覆(こぼ)した油を甞(な)アめて了つた太郎どんの犬さ...
内田魯庵 「犬物語」
...私が來てから甞て一度もさう言ふ大雨は降つたことがありません...
江南文三 「佐渡が島から」
...甞(かつ)てだに...
薄田淳介 「白羊宮」
...然れども甞(かつ)て决する事ありて...
関寛 「関牧塲創業記事」
...一遺跡と他の遺跡との間には甞て道路存在せしなるへけれど...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...日本は独舞台で欧洲中原の五年にわたる苦艱(くげん)を唯一日の間に甞めました...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...是れ大隈板垣の両伯をして苦がき経験を甞めしむる為なりとされど余を以て侯を視るに...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...カンドを甞めるやうだといつた...
長塚節 「彌彦山」
...凡そ未だ甞て誰も思つてもみなかつた程発生してゐるのであるが...
中原中也 「芸術論覚え書」
...甞て私が人々が伝統から学ぶことを余りに等閑にしてゐることを唱へるや...
中原中也 「芸術論覚え書」
...白い砂糖を時々甞(な)めて居りますが」「その砂糖を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...甞(な)めて見たりしましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その上相手を甞(な)めきつた小僧は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...嗅いだり甞めたりしましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...甞(な)めてこの一生をむちゃくちゃにして見せよう!……そこで宿所を出た...
二葉亭四迷 「浮雲」
...皆未甞出於吾道之外(みないまだかつてわがみちのそとにいでず)...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...其鮮かさは甞て見た事がない...
吉江喬松 「山岳美觀」
...彼にも足かけ十年臥薪甞胆(がしんしょうたん)の事件がある...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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