...俺は昔(むか)しお万の覆(こぼ)した油を甞(な)アめて了つた太郎どんの犬さ...
内田魯庵 「犬物語」
...甞(か)つて本当の意味の民主政治を...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...冬の日新甞(にひなめ)の祭(まつ)り日(び)なりき...
薄田淳介 「白羊宮」
...更に甞て予が厚く信ずる処の二宮尊徳翁の霊位を藻岩村(もいわむら)二宮尊親(そんしん)氏の家に至りて親(したし)く拝せん...
関寛 「関牧塲創業記事」
...同室(どうしつ)の者等(ものら)の未(いま)だ甞(か)つて見(み)ぬ騷方(さわぎかた)...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...甞て犯されし殺害の罪悪の物に伝わり人につきて...
高木敏雄 「比較神話学」
...日本は独舞台で欧洲中原の五年にわたる苦艱(くげん)を唯一日の間に甞めました...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...あらゆる悲惨をも甞め...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...凡そ大甞祭膽駒社の神部をして火鑽木を奉らしむといひ...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...凡そ未だ甞て誰も思つてもみなかつた程発生してゐるのであるが...
中原中也 「芸術論覚え書」
...甞てしらじらしたことのない我等の脣(くち)を顫はせる手よ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...星雲説を想像する現代の吾らは辛(から)きジスイリュージョンを甞(な)めている...
夏目漱石 「思い出す事など」
...何を苦しんで劣等な経験を甞(な)めるものか...
夏目漱石 「それから」
...だからして中味を持っているものすなわち実生活の経験を甞(な)めているものはその実生活がいかなる形式になるかよく考える暇さえないかも知れないけれども...
夏目漱石 「中味と形式」
...僕はそのいずれをも甞(な)め試ろみる機会を失ってかえって自分のために喜んだ...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...可愛(かわい)い子にはこの辛苦(しんく)を甞(な)めさせ...
新渡戸稲造 「自警録」
...甞めなくてよかつたよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...我が辛苦を甞(な)め艱難(かんなん)を忍びながら定めない浮世に存生(なが)らえていたる...
二葉亭四迷 「浮雲」
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