...渠は既に女優志願者で失敗した經驗を一度甞めてゐるが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...甞(かつ)てアイヌ一名を傭置(やといお)き...
関寛 「関牧塲創業記事」
...然れども甞(かつ)て决する事ありて...
関寛 「関牧塲創業記事」
...「糞を甞めるは好かった...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...つい此新甞祭の当日でした...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...母は甞てそんなことを私に云ったことがなかった...
豊島与志雄 「楠の話」
...父の顔はこれまで甞て見たこともないほど朗かだった...
豊島与志雄 「楠の話」
...だが甞て乱暴したということもなくてどっちかというと酷く気の弱い所のあるのは彼の母の気質を禀けたのであった...
長塚節 「太十と其犬」
...そうして何か欲しいといっては長い舌を出してぺろりぺろりと自分の鼻を甞めた...
長塚節 「太十と其犬」
...甞て私が人々が伝統から学ぶことを余りに等閑にしてゐることを唱へるや...
中原中也 「芸術論覚え書」
...甞て夏の静かな夕べ...
中原中也 「引越し」
...甞(かつ)て何かのはずみに...
夏目漱石 「それから」
...人間的(にんげんてき)な優(やさ)しい心持(こゝろもち)の起(おこ)つた試(ためし)は未(いま)だ甞(かつ)てない...
夏目漱石 「門」
...あんなにジャムばかり甞(な)めては胃病の直る訳がないと思います」と細君は先刻(せんこく)の不平を暗(あん)に迷亭に洩(も)らす...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「この間などは赤ん坊にまで甞めさせまして……」「ジャムをですか」「いいえ大根卸(だいこおろし)を……あなた...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「君は赤ん坊に大根卸(だいこおろ)しを甞(な)めさしたそうだな」「ふむ」と主人は笑ったが「赤ん坊でも近頃の赤ん坊はなかなか利口だぜ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...苦さうなお顏で杯を甞めていらつしやいました」「それから」「私はあんまり淋しいから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...嗅いだり甞めたりしましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
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