...と云う意味は悔恨や憂慮の苦痛をも甞(な)めなければならぬ...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...螽(いなご)を喰ひ野蜜を甞め...
石川啄木 「雲は天才である」
...手なる鉛筆の尖(さき)を甞(な)めて...
泉鏡花 「海城発電」
...甞つてわれらの生にも伴立(つれだ)つて...
レミ・ドゥ・グルモン Remy de Gourmont 上田敏訳 「落葉」
...噛占(かみし)めて益々味の出るものよりは舌の先きで甞(な)めて直ぐ賞翫(しょうがん)されるものが読者に受ける...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...甞(か)つて本当の意味の民主政治を...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...膜(あまかは)か味(あぢ)甞(な)むる...
薄田淳介 「白羊宮」
...甞(かつ)て札幌に於ては又一が出兵するを以て...
関寛 「関牧塲創業記事」
...病苦を甞むるの時來るべし...
竹越三叉 「深憂大患」
...その歓楽を甞めて見たいやうな気もした...
田山録弥 「モウタアの輪」
...赤がいつものようにぴしゃぴしゃと飯へかけてやった味噌汁を甞める音が耳にはいったり...
長塚節 「太十と其犬」
...だがそれを自分で確めたことは甞て一度もなかつた...
中原中也 「校長」
...即ち甞ていためられたるかの獣性を...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...甞(かつ)て小むずかしい説法などを代助に向って遣った事がない...
夏目漱石 「それから」
...醍醐(だいご)の妙味を甞(な)めて言詮(ごんせん)のほかに冷暖(れいだん)を自知(じち)するがごとし...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...嗅ぐのは構はないが甞(な)めちやいけない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薔薇(ばら)の花挿頭(はなかんざし)を(さ)したばかりで臙脂(べに)も甞(な)めねば鉛華(おしろい)も施(つ)けず...
二葉亭四迷 「浮雲」
...甞(かつ)てはありふれた質素な品であつたが...
柳宗悦 「和紙の教へ」
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