...隻身(せきしん)世の中の辛酸を甞めた...
李光洙 「愛か」
...長者は瓦盃の酒を一口甞(な)めてから云いました...
田中貢太郎 「宇賀長者物語」
...そんな苦しみを甞(な)めながら...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...是れ大隈板垣の兩伯をして苦がき經驗を甞めしむる爲なりとされど余を以て侯を視るに...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...私は未だ甞てそんな清らかな純な空を見たことがないような気がした...
豊島与志雄 「楠の話」
...凡そ大甞祭膽駒社の神部をして火鑽木を奉らしむといひ...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...そのために私は甞ての日の自己統一の平和を...
中原中也 「我が生活」
...元々開化が甲の波から乙の波へ移るのはすでに甲は飽(あ)いていたたまれないから内部欲求の必要上ずるりと新らしい一波を開展するので甲の波の好所も悪所も酸いも甘いも甞(な)め尽した上にようやく一生面を開いたと云って宜(よろ)しい...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...しかし兄さんの恐ろしさを自分の舌で甞(な)めて見る事はとてもできません...
夏目漱石 「行人」
...未(いま)だ甞(かつ)て如何(いか)なる画(が)に対しても加えた事はなかった...
夏目漱石 「それから」
...そうして彼女に応戦すべく緊張の苦痛と努力の窮屈さを甞(な)めなければならなかった...
夏目漱石 「明暗」
...この頃は胃病の薬だとか云って大根卸(だいこおろ)しを無暗(むやみ)に甞めますので……」「驚ろいたな」と迷亭は感嘆する...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...一枚々々に口で甞(な)めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ガラツ八は唇を甞めました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...白い砂糖を時々甞(な)めて居りますが」「その砂糖を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...甞(な)めてこの一生をむちゃくちゃにして見せよう!……そこで宿所を出た...
二葉亭四迷 「浮雲」
...それを一寸甞めて...
松永延造 「職工と微笑」
...多くの場合新たな不自由を甞(な)めるでありましょう...
柳宗悦 「手仕事の日本」
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