...經濟上の苦しみだけは學生時代から隨分甞めたやうなことを言つたことがある...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...甞つてわれらの生にも伴立(つれだ)つて...
レミ・ドゥ・グルモン Remy de Gourmont 上田敏訳 「落葉」
...俺は昔(むか)しお万の覆(こぼ)した油を甞(な)アめて了つた太郎どんの犬さ...
内田魯庵 「犬物語」
...その間には非常な辛苦艱難(しんくかんなん)を甞(な)めて屡々(しばしば)革命までも起して...
大隈重信 「始業式に臨みて」
...士曰僕甞テ読ムレ之ヲ兎園ノ冊子何ゾ足ン二以閲一...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...甞(かつ)て将来の事を語らんと欲したるも...
関寛 「関牧塲創業記事」
...後世子孫は労働の苦を甞めざるを得ず...
高木敏雄 「比較神話学」
...一遺跡と他の遺跡との間には甞て道路存在せしなるへけれど...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...あらゆる悲惨をも甞め...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...即ち甞ていためられたるかの獣性を...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...甞ては私にも、金のペンで記すべき時代があつた! とラムボオがいふ...
中原中也 「我が生活」
...夫婦という社会的に大切な経験を彼らなりに甞(な)めて来た...
夏目漱石 「行人」
...「君は赤ん坊に大根卸(だいこおろ)しを甞(な)めさしたそうだな」「ふむ」と主人は笑ったが「赤ん坊でも近頃の赤ん坊はなかなか利口だぜ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...酒を甞(な)めて呑むてを考げえた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...人を甞(な)めた野郎だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今目前にその事が出来(しゅったい)したように足掻(あが)きつ(もが)きつ四苦八苦の苦楚(くるしみ)を甞(な)め...
二葉亭四迷 「浮雲」
...甞(な)めてこの一生をむちゃくちゃにして見せよう!……そこで宿所を出た...
二葉亭四迷 「浮雲」
...甞て私が学校を除籍せられた時...
二葉亭四迷 「平凡」
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