...しかし道徳は未(いま)だ甞(かつ)て...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...譯者甞て十年の昔...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...甞(かつ)てこの人との間に縁談があったと妻が云っていたことを思い出して...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...甞ては優しい思い出となっていた妻の事さえ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...釈迦甞て遍歴せし折...
高木敏雄 「比較神話学」
...その上に彼が可愛い女を見るときに必ずやるあの舌甞めずりをまでしているではないか...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
......
坪井正五郎 「コロボックル北海道に住みしなるべし」
...彼が甞て感じたようなことを逆に彼に語ってきかせる秀子が其処に居た...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...山稼ぎの女はいくらあるか知れぬがお秋さん程のものは甞て似たものさへも見ないのである...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...少しでも好いから甞(な)めて見たいといつでもそう思っているんです」と敬太郎が真面目(まじめ)に云いかけると...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...どうかして泣かせてやろうと擽(くすぐ)ったり辛子(からし)を甞(な)めさせるような故意の痕跡が見え透(す)いたら定めし御聴き辛(づら)いことで...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...人間的(にんげんてき)な優(やさ)しい心持(こゝろもち)の起(おこ)つた試(ためし)は未(いま)だ甞(かつ)てない...
夏目漱石 「門」
...この頃は胃病の薬だとか云って大根卸(だいこおろ)しを無暗(むやみ)に甞めますので……」「驚ろいたな」と迷亭は感嘆する...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...屋敷の近くだな――」平次は最初の猪口を甞(な)めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...砂糖をやつて甞(な)めさせたに違ひあるまい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...」と甞(かつ)て祖母が云つてゐたことがあつた...
正宗白鳥 「孫だち」
...それを一寸甞めて...
松永延造 「職工と微笑」
...彼にも足かけ十年臥薪甞胆(がしんしょうたん)の事件がある...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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