...然れども、平治以降、彼は、平氏を扶けたるの多きを以て、対平氏関係の甚、円満なりしを以て、平氏が比較的彼を優遇したるを以て、平氏を外にしては、武臣として、未其比を見ざる、三位の高位を得たり...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...眼の前にいっかい膝の上で石のような拳(こぶし)を撫でまわしている甚斎の姿を見ると...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...わかり好いやうで実は甚だわかりにくいことである...
田山録弥 「心の階段」
...時にはその余りに甚しいのに...
田山録弥 「西鶴小論」
...とに角以上のような言葉が甚だしく警視庁の主脳部を憤慨させたらしい...
戸坂潤 「社会時評」
...甚兵衛は毎日、そこにお詣(まい)りをしました...
豊島与志雄 「人形使い」
...甚兵衛はこう考えました...
豊島与志雄 「人形使い」
...日本の歴史的風俗に於ては甚だしい知識不足を暴露しているのである...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...地震と海嘯(つなみ)は人間に予告を与えずして来るが、ただ人間がその予告を覚知するまでに進歩していない分のことで、地殻の欠陥がおのずから、地の表面へそういう結果をもたらすに過ぎない、といったように、駒井甚三郎は、おのずから湧き起った心をよそからながめて、批判の態度を取ろうとする...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分ながら甚だ覚束ないとは思つた...
夏目漱石 「それから」
...甚六郎の浪宅は、ほんの二た間、嘗(な)めるやうに搜しましたが、三千兩は愚(おろ)か、三兩の貯(たくは)へもありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...元鳥越町の甚内橋(じんないばし)袂(たもと)に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「ノロ甚」が顔を出した...
火野葦平 「花と龍」
...兵卒を以てこれを待つ者は礼を知らざるの甚(はなは)だしきなり...
正岡子規 「従軍紀事」
...一本に此前に一ツの島有りて此濱に船をよするに向ふ風を避て甚以便なりと云り...
松浦武四郎 「他計甚※[#「麾」の「毛」に代えて「公の右上の欠けたもの」、第4水準2-94-57](竹島)雜誌」
...過去及び現在において甚だ似かよっていることを眼のあたり見たならば...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...甚だしく懸隔(けんかく)していることが...
吉川英治 「新書太閤記」
...甚三郎様に罪を着せる為...
吉川英治 「夏虫行燈」
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