...夏蔭の夢の甘さを吹く...
石川啄木 「鳥影」
...エルマンの甘さに似通ひしもの...
大手拓次 「「香水の表情」に就いて」
...言葉では現わし得ない微妙な甘さである...
高見順 「如何なる星の下に」
...甘さや通俗を気にせず...
太宰治 「猿面冠者」
...そのまま美しく表現しようと努力する甘さ...
太宰治 「人間失格」
...今日でサケナシデーが三日つゞく、飲みたいのをぐつと抑へて、――つらいね!今日はじめて熟柿を食べる(歯のない私は熟柿しか食べられない)、何といふ甘さ、それは太陽そのものの味であらう...
種田山頭火 「其中日記」
...甘さを表現したゞけでは(旨さが籠つてゐないならば)それはよき芸術ではない...
種田山頭火 「其中日記」
...かの蜜の甘さでも...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...かの蜜の甘さでも...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...進む時間は一瞬ごとに追憶の甘さを添えて行く...
永井荷風 「伝通院」
...あれは矢張り、後から來る私を、一刻以上も道を往つたり來たりし乍ら待つて居たんですね」と、八五郎の甘さ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その後は貴方が語つてくれと云はぬばかりのゆき子の甘さが...
林芙美子 「浮雲」
...淋しさや甘さを飾る装飾のテープが富岡の瞼(まぶた)のなかに...
林芙美子 「浮雲」
...古いビクターの赤盤マッコーマックのティパレリーの歌をきいてその甘さにうっとりする...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...そこに底深く漂つてゐる一味の甘さ(sweetness)が感じられたからである...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...――殊に書き出しの甘さッたらない...
牧野信一 「眠い一日」
...」歯に沁みる冷い甘さを噛みしめながら...
水上滝太郎 「果樹」
...女性がとかく陥り易い空疎な主義や殉情的な甘さから脱して...
宮本百合子 「概念と心其もの」
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