...苦味の交つた甘さがある...
芥川龍之介 「好色」
...夏蔭の夢の甘さを吹く...
石川啄木 「鳥影」
...太陽の甘さといつてもよからう...
種田山頭火 「其中日記」
...今日でサケナシデーが三日つゞく、飲みたいのをぐつと抑へて、――つらいね!今日はじめて熟柿を食べる(歯のない私は熟柿しか食べられない)、何といふ甘さ、それは太陽そのものの味であらう...
種田山頭火 「其中日記」
...そこに、尖つた所があるといへば、いへるが、男の作者の書いたやうに、寛大さがない、甘さがない、大きな涙がない...
田山録弥 「三月の創作」
...この人の絵には落ち着いた渋みの奥にエロティックに近い甘さがある...
寺田寅彦 「昭和二年の二科会と美術院」
...(楽天的な甘さに対比して)辛さや苦がさを持って来る...
戸坂潤 「思想としての文学」
...八五郎の甘さがそれにうま/\と引つかゝつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...妹が帰つてしまつてからのところは余り甘さが強すぎる...
牧野信一 「海浜日誌」
...それにしても筋合が甘さうであればあるほど...
牧野信一 「タンタレスの春」
...何といふこともなく次第に私の胸は甘さに溢れるかのやうな...
牧野信一 「冬物語」
...彼には、実に多くの、美しい、センチメンタリティー、甘さがあった...
宮本百合子 「有島武郎の死によせて」
...私は川端の甘さを不快に思った激しい心を思いおこします...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...我々はそこに赤さ・つや・香り・および甘さを見出す...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...(c)結婚の苦(にが)さはその甘さとともに...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...悔いは、かれの良心をさいなんだが、お袖との逢引(あいびき)は、苦しむほど、悪を伴なって偸(ぬす)むほど、楽しさ、甘さを、深くした...
吉川英治 「大岡越前」
...女親の甘さだったのか...
吉川英治 「私本太平記」
...楠木党の甘さと見たら大間違いだぞ」正季は...
吉川英治 「私本太平記」
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