...殺されちまったんです」私は甘える様に云った...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...甘えるようにお喋りする...
田中英光 「野狐」
...就中(なかんずく)そのぱつちりした大きな眼球は、いつも生き/\とよく動いて、甘える時、いたづらをする時、物に狙ひを付ける時、どんな時でも愛くるしさを失はなかつたが、一番可笑しいのは怒る時で、小さい体をしてゐる癖に、やはり猫なみに背を円くして毛を逆立て、尻尾をピンと跳ね上げながら、脚を蹈ん張つてぐつと睨まへる恰好と云つたら、子供が大人の真似をしてゐるやうで、誰でもほゝ笑んでしまふのであつた...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...「なあ姉ちゃん」いいながら甘えるようにその眼エ使われたら...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...……――好意に甘えるな(人に対しても自然に対しても)...
種田山頭火 「其中日記」
...「こんな物が出来てえ」と甘えるような鼻声になって...
近松秋江 「黒髪」
...ニヤオ/\と甘えるやうな声をして来て...
土田耕平 「身代り」
...その安らかさに甘える気持ちは...
豊島与志雄 「波多野邸」
...母に甘えるのとも違う...
豊島与志雄 「父母に対する私情」
...お勢は好意に甘えるやうな心地で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...」甘えるように私の手をとってゆすぶったりした...
長谷川時雨 「九条武子」
...あんまり甘えるな...
牧野信一 「晩秋」
...妻へ甘える眼をして求めた...
吉川英治 「私本太平記」
...なに」雷(かみなり)の申し子みたいに、赤っ毛で色の黒い男の子は、欄間(らんま)の金碧(きんぺき)だの、侍女(こしもと)たちの衣裳だの、畳の縁(へり)だの、きょときょとしていたが、母に膝をつかれて、甘えるように、母の肩へ顔をすり寄せた...
吉川英治 「新書太閤記」
...それでわざわざやって来たのかい」姪の甘えるような言葉を...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...私は? ……」お綱は少し甘えるように...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...よいではないか」子どもに甘える気もちで...
吉川英治 「源頼朝」
...人の好意に甘えるのも程度がある...
吉川英治 「宮本武蔵」
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