...つめたく露を置いた甍(いらか)や...
芥川龍之介 「偸盗」
...一望甍(いらか)の谷ありて眼界を埋めたり...
石川啄木 「詩」
...遠近(おちこち)の森の梢(こずえ)に並ぶ夥多(あまた)寺院の甍(いらか)は眩(まばゆ)く輝きぬ...
泉鏡花 「活人形」
...あの煙突の真下の赤い西洋甍(がわら)は...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...しかも所々に高塔伽藍(がらん)が甍を抜き...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...仲店(なかみせ)の通りから宏大(こうだい)な朱塗りのお堂の甍(いらか)を望んだ時の有様ばかりが明瞭(めいりょう)に描かれ...
谷崎潤一郎 「秘密」
...蜿蜒(えんえん)と連なって居る王城の甍(いらか)をさし示しながら...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...紫色の甍の屋翼と...
豊島与志雄 「北京・青島・村落」
...甍(いらか)の波の上に黄金色の陽炎(かげろふ)が立ち舞ふやうな美しい朝でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...甍(いらか)に於て怒り立つてゐる...
萩原朔太郎 「宿命」
...大東京は朧月の空の下に甍(いらか)々をならべ...
久生十蘭 「魔都」
...この甍の一つ一つの下にどのような悲劇が起き...
久生十蘭 「魔都」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...殿堂甍(いらか)を聯(つら)ねては仏土金色(こんじき)の日相観(じっそうかん)を送る...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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横瀬夜雨 「花守」
...諸将の住む甍(いらか)がいっぱいに建て並べられた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...孔雀色(くじゃくいろ)の甍(いらか)や丹塗(にぬり)の門廊とおぼしき耀(かがや)きを放ッて...
吉川英治 「平の将門」
...浪華(なにわ)の町の甍(いらか)の上に朝の空気が澄みきって...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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