...棟を並べ甍を争へる...
芥川龍之介 「本所両国」
...それは随分と古めかしいもので処まんだらにウメノキゴケの生えた灰色の甍(いらか)は...
大阪圭吉 「石塀幽霊」
...また大きな瓦を「イラカ」(甍)と申しますがこれも梵語であります...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...大蟻の甍(いらか)這ひ居る暑さかな 佛座草も...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...その甍(いらか)の上に蔽(おお)いかぶさった深い杉の森といい...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...浅草の観音堂のような紫宸殿(ししいでん)の甍(いらか)が聳え...
谷崎潤一郎 「少年」
...蜿蜒(えんえん)と連なって居る王城の甍(いらか)をさし示しながら...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...甍(いらか)が甍に続いて...
田山花袋 「田舎教師」
...棟にあまた草生ひたれども嘗てとることもなきぞと見ゆるに窓の外は甍ばかりのわびしきに苦菜(にがな)ほうけて春行かむとす窓の硝子は朝ごとに拭へども...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...甍(かわら)の上から...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...甍(いらか)の波を渡る...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大東京は朧月の空の下に甍(いらか)々をならべ...
久生十蘭 「魔都」
...甍(いらか)の波の中に城山が一孤島のごとく漂っている...
柳田國男 「地名の研究」
...社職三十余人甍(いらか)を並ぶ云々とある...
柳田國男 「地名の研究」
...古風な破風造りの母屋(おもや)の甍(いらか)と交錯さして...
夢野久作 「復讐」
...甍もゆるんだ傾きで...
横光利一 「旅愁」
...黄金の甍(ぼう)...
吉川英治 「新書太閤記」
...諸将の住む甍(いらか)がいっぱいに建て並べられた...
吉川英治 「新・水滸伝」
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