...鱗(こけ)の光のきらめきに白琺瑯(はくほうろう)を曇らせて...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...歯は本当の琺瑯(ほうろう)義歯を入れるという...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...琺瑯質が壞れて神經が現はれるのださうだ...
田山録弥 「神經家の言」
...普通の琺瑯引(ほうろうび)きの鉢形(はちがた)の洗面盤に湯を半分くらい入れる...
寺田寅彦 「日常身辺の物理的諸問題」
...そうしてやはり琺瑯引きでとっ手のついた大きい筒形のコップをそのわきに並べて置き...
寺田寅彦 「日常身辺の物理的諸問題」
...外側は琺瑯質の極めて堅い層で蔽われている...
中谷宇吉郎 「異魚」
...地(じ)を卵色の琺瑯(ほうろう)で焼き付けて...
中谷宇吉郎 「九谷焼」
...青瑯(せいろうかん))といふ半透明(はんとうめい)の美(うつく)しい緑色(みどりいろ)の石(いし)で作(つく)られてあつて...
濱田青陵 「博物館」
...僕は自分の靴音を琺瑯質の無限の時間の中に刻まれる微妙な秒針のやうにおもひながら歩いてゐた...
原民喜 「魔のひととき」
...まるで琺瑯引(ほうろうび)きの便所の壁のように...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...薄く琺瑯(ほうろう)のかかった糸底の中に茶がかった絵具で署名がしてあった...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...西洋でも琺瑯鍋の使い方はむずかしい者と申す位です...
村井弦斎 「食道楽」
...古びた青銅鍋(からかねなべ)だの粗製(そせい)の琺瑯鍋(ほうろうなべ)だのあるいは銅(あかがね)の鍋だの真鍮鍋(しんちゅうなべ)なんぞを使っていますが西洋は大概国法を以てあんな鍋の使用を厳禁しています...
村井弦斎 「食道楽」
...琺瑯色(はふらういろ)の日光に焼釘(やけくぎ)の頭(あたま)を並べて呼吸(いき)をする...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...楊奉を瑯(ろうや)へ役付けて...
吉川英治 「三国志」
...瑯(ろうや)の南陽(山東省・泰山の南方)であります...
吉川英治 「三国志」
...もっとつまびらかに語り給え」「その人の生地は瑯(ろうや)陽都(ようと)(山東省(さんとうしょう)・泰山南方)と聞き及んでおります...
吉川英治 「三国志」
...瑯(ろうかん)みたいに白く凍(こご)えきった若者が...
吉川英治 「親鸞」
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