...▲自働車の上なら悠然と沈着て読書は本より禅の工風でも岡田式の精神修養でも何でも出来そうだが、電車は人間を怯懦にし、煩瑣にし、野卑にし、放肆(ほうし)にする...
内田魯庵 「駆逐されんとする文人」
...何が故に一般に斯の如く瑣末的であるかを述べたかったが...
高村光太郎 「本邦肖像彫刻技法の推移」
...瑣末な例であるが『武道伝来記』一の四に...
寺田寅彦 「西鶴と科学」
...却って完全なトリビアリズム(瑣末主義)がここに含まれているのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...まあそういう瑣細なことでも皆懐しい思い出になるのだ...
中谷宇吉郎 「冬彦夜話」
...瑣事(さじ)ですが...
夏目漱石 「行人」
...先づ第一に文学上に於ける煩瑣な形式の破壊を特色としてゐる...
平林初之輔 「文学方法論」
...そのために生じるすべての瑣事(さじ)に対する無関心のさせる業だろうか...
堀辰雄 「菜穂子」
...」「百足凧といふのは――」と私は、こゝで何やら感慨深さうに首を振つたが、煩瑣を忍んで、曖昧ながらにでも此方が凧の構造を説明しなければならなかつた...
牧野信一 「鱗雲」
...瑣細な土地の境界争ひが...
牧野信一 「毒気」
...其の他瑣細な點は今論じませぬが...
松本文三郎 「世界に於ける印度」
...友達(ともだち)から教(をし)へられた瑣細(ささい)な道理(だうり)を憶(おぼ)えて居(ゐ)なかつたため...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...この頃はこういう瑣末とっちゃん趣味がはやりでね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...田能村竹田の屠赤瑣々録(とせきさゝろく)中の里恵の書牘である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...それからベルリンに著いた当時の印象を瑣細(ささい)な事まで書いてあって...
森鴎外 「かのように」
...今までは瑣々たる問題にも...
森鴎外 「舞姫」
...うれしい煩瑣と輕い責任を感じるものである...
吉川英治 「折々の記」
...煩瑣(はんさ)のあらましは...
吉川英治 「私本太平記」
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