...――あらゆる日常の瑣事の中に堕地獄の苦痛を感じなければならぬ...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...日本人のものでは長岡(ながおか)博士の「田園銷夏(しょうか)漫録」とか岡田(おかだ)博士の「測候瑣談(さだん)」とか...
寺田寅彦 「科学と文学」
...物理のような基礎科学の教科書が根本の物理そのものはろくに教えないで瑣末(さまつ)な枝葉の物理器械や工学機械のカタログを暗記させるようなものでは困ると思う...
寺田寅彦 「マーカス・ショーとレビュー式教育」
...材料を単に瑣末に至るまで習得し収集するだけではなく...
戸坂潤 「科学論」
...その瑣末な點を擧げて之を攻撃し...
内藤湖南 「支那目録學」
...然るにわたくしは身辺に起つた一瑣事によつて...
永井荷風 「来訪者」
...ゾラ先生の煩瑣(はんさ)なる写実主義...
中島敦 「光と風と夢」
...そういう瑣細(ささい)な盲点のために著しく左右されるようなこともありそうである...
中谷宇吉郎 「立春の卵」
...煩瑣(はんさ)な社会制度に悩まされて...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...韻律学の煩瑣(はんさ)な拘束を持っているのか...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...友達(ともだち)から教(をし)へられた瑣細(ささい)な道理(だうり)を憶(おぼ)えて居(ゐ)なかつたため...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...この頃はこういう瑣末とっちゃん趣味がはやりでね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...殆ど作物語の瑣細な人物の落著をも忘れぬ如くに...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...しかし原文の瑣事を叙することの繁密なるに比すれば...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...瑣事(さじ)を數ふること多くして聽者を倦(う)ましむる實際主義の弊とも亦然なり...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...煩瑣(はんさ)な技巧...
柳宗悦 「工藝の道」
...煩瑣(はんさ)論的にさえなった...
山本周五郎 「思い違い物語」
...一切の煩瑣な制約を掃蕩する天来の清潔法である颱風...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
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