...――あらゆる日常の瑣事の中に無上の甘露味を感じなければならぬ...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...徒(いたづ)らに学風を煩瑣(はんさ)にし...
石川啄木 「閑天地」
...望月右内氏(政)煩瑣聞くに堪へずと之を攻撃するや...
石川啄木 「雲間寸觀」
...かゝる瑣談(さだん)も世に埋冤(まいゑん)せん事のをしければ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...煩瑣(はんさ)な堂々めぐりの...
太宰治 「女生徒」
...長い間社会の煩瑣な圧迫の下に苦しんでゐて...
田山録弥 「社会と自己」
...少数の学徒の間に行われた煩瑣(はんさ)なる教理の講説や伝習そのことは...
津田左右吉 「東洋文化、東洋思想、東洋史」
...それで一個人の身辺瑣事の記録には筆者の意識いかんにかかわらず必ず時代世相の反映がなければならない...
寺田寅彦 「自由画稿」
...益々以て瑣に渉り微に入る...
内藤湖南 「學變臆説」
...その瑣末な點を擧げて之を攻撃し...
内藤湖南 「支那目録學」
...家庭の不和だのみんな瑣々たる問題だ...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...父の瑣児肝失喇(ソルカンシラ)から渡されたこの守り刀が...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...」「百足凧といふのは――」と私は、こゝで何やら感慨深さうに首を振つたが、煩瑣を忍んで、曖昧ながらにでも此方が凧の構造を説明しなければならなかつた...
牧野信一 「鱗雲」
...「お祭佐七」の箱丁のやうな瑣細の役に妙技を見せた...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...躬恒のは瑣細(ささい)な事を矢鱈(やたら)に仰山に述べたのみなれば無趣味なれども家持のは全く無い事を空想で現はして見せたる故面白く被感候...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...併し此瑣事(さじ)が僕の心の安寧と均衡とを奪ふのである...
クスミン Mikhail Alekseevich Kuzmin 森林太郎訳 「フロルスと賊と」
...磁器の素地(きじ)に伴う種々煩瑣(はんさ)な工程...
柳宗悦 「北九州の窯」
...一々の弟子を取り上げるのは煩瑣(はんさ)でもあるから...
和辻哲郎 「孔子」
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