...瑪瑙(めのう)の莢(さや)に...
泉鏡花 「海神別荘」
...粘土の中から石英と石灰とで出來た山脈がところどころに赤玉だの瑪瑙だの青玉だのの肌を天日に晒し腹の中に鍾乳石だの水晶だの太古からの不思議な水だのを包んで輕石だの火山彈だのを浴びて二本並んで立つてゐるのです...
江南文三 「佐渡が島から」
...最近東京に於て結成された瑪瑙座(めのうざ)と言う新しい劇団の出資者で...
大阪圭吉 「花束の虫」
...――三人の内一人は瑪瑙座の総務部長で脚本家の上杉逸二(うえすぎいつじ)さんですが...
大阪圭吉 「花束の虫」
...瑪瑙座の事務所へ脚本の内容に就いて問い合わせて見た...
大阪圭吉 「花束の虫」
...今それは衣服の黄色を受けて幾分紅を差して震い付かんばかりの美しい瑪瑙(めのう)色であった...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...彼女はうすい瑪瑙(めのう)色にかがやくグラスへ唇をつける...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...瑪瑙の嬌飾に満ちた悪意を含めて...
富永太郎 「鳥獣剥製所」
...瑪瑙(めのう)色に縁取った美しい眼の牝牛(めうし)が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...何事の起ったのかと種彦はふと心付けばわが佇(たたず)む地の上は一面に踏砕(ふみくだ)かれた水晶瑪瑙(めのう)琥珀(こはく)鶏血(けいけつ)孔雀石(くじゃくせき)珊瑚(さんご)鼈甲(べっこう)ぎやまんびいどろなぞの破片(かけら)で埋(うず)め尽(つく)されている...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...商人よふたたび椰子の葉の茂る港にかへり君のあたらしい綿と瑪瑙を積みかへせ亞細亞のふしぎなる港々にさまよひ來り青空高くひるがへる商業の旗の上にああかのさびしげなる幽靈船のうかぶをみる...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...飼料を入れる秣(まぐさ)の櫃(ひつ)には松やにがこびりついて瑪瑙色(めのういろ)に光っていた...
本庄陸男 「石狩川」
...そして浅黄(あさぎ)の瑪瑙(めのう)の...
宮沢賢治 「雁の童子」
...私は大変可愛い碼瑙(めのう)のようなかざりものを見たのよ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...昨日までの瑪瑙の床は...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...町はまた「瑪瑙細工(めのうざいく)」を以て聞えます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...その中に瑪瑙が交つてゐるのは...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...鶴源の板前が瑪瑙(めのう)色に塗った魚類の食楽地獄だ...
吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
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