...然(しか)れども未(いま)だ其(その)瑕瑾(かきん)を発(あば)きたるものは之れ無きが如(ごと)し...
石橋忍月 「舞姫」
...この瑜瑕(ゆか)並び蔽(おお)わない特有の個性のありのままを少しも飾らずに暴露(ぶちま)けた処に椿岳の画の尊さがある...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...この書物をこんな具合に瑕物(きずもの)にしておった理由はただ一つしかない...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...其の妍醜瑕瑜大概露見して蔽はるゝ所なきも...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...一丈や二丈の穴を掘ったからとて瑕にもなんにもなりません...
中里介山 「大菩薩峠」
...庄司の家の瑕瑾(かきん)とも相成ること...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...かならず三十二万石に瑕がつくくらいなことは知っていよう...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...いやしくも瑕瑾(かきん)を生ずべからず...
福沢諭吉 「徳育如何」
...仕上げにも瑕疵(かし)はない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...一つの鐘に二つまで瑕の由来を作った売僧輩(まいすはい)の所行(しわざ)微笑の至りだが...
南方熊楠 「十二支考」
...無瑕の寶玉の光を帶びてゐる...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...併し十太夫の勤振(つとめぶり)にはこれと云ふ廉立(かどだ)つた瑕瑾(かきん)が無い...
森鴎外 「栗山大膳」
...瑩光明徹点瑕無(えいこうめいてつてんかなし)...
森鴎外 「渋江抽斎」
...その瑕瑾(かきん)をとがめず...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...源実朝(みなもとのさねとも)ににもあったということだからこの人だけの瑕瑾(かきん)ではない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...金費(づか)いが荒いのじゃ』『はい』『酒は好きか』『好きです』『酒だけにしては何うか』『はい』『貴様の瑕(きず)は...
吉川英治 「山浦清麿」
...子路の妻の兄弟が衛の嬖臣(へいしん)弥子瑕の妻であったこと...
和辻哲郎 「孔子」
...故に衛の夫人と弥子瑕とに因りて...
和辻哲郎 「孔子」
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