...それに祖父さんだつて何か理窟を言ふだらうしね...
石川啄木 「鳥影」
...……まるで理窟になっとらん!蜂須賀巡査は苛立たしげに立上った...
大阪圭吉 「石塀幽霊」
...いつもそんな理窟つけて自分の心欺(あざむ)いてました...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...お互に粗い感情や粗い理窟で喧嘩したり議論したりしても仕方がない...
田山録弥 「現實」
...そう理窟詰めにされてはどうにもならない...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...おらどうせ馬鹿だから理窟なんざあ解らねえがさうぢやあんめえか...
長塚節 「芋掘り」
...到底(とうてい)長塚君の「土」の為に是程(これほど)言辞を費やす事は出来ない理窟(りくつ)だからである...
「『土』に就て」
...一人も佐吉が人を使つたのを見た者がねえ」「見られるやうには出やしません」「それは理窟だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それも一と理窟ですがね...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ノートに、次の脚本のテーマを記す、国策の芝居を書いてみたい、理窟っぽくない、お説教にならない芝居を...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...あるのが理窟であり...
牧逸馬 「沈黙の水平線」
...また「梅咲きぬ鮎(あゆ)ものぼりぬ」の「も」は梅と鮎とを相並べていふ者なればこれも理窟には相成不申候...
正岡子規 「あきまろに答ふ」
...それは余りひどいと思ふ人があるだらうが理窟から考へても分ることである...
正岡子規 「病牀六尺」
...而して日本服が余計にその美を現すやうに出来て居ると理窟の上で判断せられたところで...
正岡子規 「墨汁一滴」
...そいで無かつたら、甚次が、――さうだ此の人であつても、構はん理窟ぢや...
三好十郎 「妻恋行」
...今更何といっても承知するものか」と到底理窟はこの人の耳に入(い)らず...
村井弦斎 「食道楽」
...ここを通らないという理窟は考えられない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...肩肱(かたひじ)張(は)った理窟(りくつ)ばかりではない...
吉川英治 「夕顔の門」
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