...それとは独立にも五七五のほうが短詩の形式としてすぐれていると思われる理由もなくはない...
寺田寅彦 「俳句の精神」
...さればかの迂儒(うじゅ)の眼中より見ればほとんど理由もなく因縁もなく...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...別になんという理由もなく...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...わたくしは何の理由もなく...
永井荷風 「鐘の声」
...急に赤い方へ転向の謀叛気(むほんぎ)をそそのかされたと見る理由もなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...それがまた理由もなく彼の気持に反撥した...
中島敦 「プウルの傍で」
...何と云ふ理由もなく私は...
中戸川吉二 「イボタの虫」
...妙に理由もなく渋滞して困ったこともある...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
...何という理由もなく...
中谷宇吉郎 「牧野伸顕伯の思い出」
...――例へば理由もなく往來で喧嘩をふつかけられたり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そして何といふ理由もなく...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の追憶」
...誰も彼も何の理由もなく奇妙な恐怖に襲われる...
久生十蘭 「魔都」
...別段何の理由もなくさつぱりとこの仕事を放擲してしまひました...
牧野信一 「趣味に関して」
...けれどもただそれを眺めてゐる私の氣持は理由もなくうら悲しい...
三好達治 「霾」
...なんの理由もなく三人で踏んだり蹴ったりしました」「理由がないこと慥かですの」「もちろん」と得石は口ごもった...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...由良はそんなふうに理由もなく急激に変化し出した信者の様子を見ていると...
横光利一 「馬車」
...もし千鶴子が何んの理由もなく久慈を殺せと云えば...
横光利一 「旅愁」
...いかにも自分こそは清十郎であるが、理由もなく、其許(そこもと)と刃交(はま)ぜをする意思は持たぬ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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