...爲換(かはせ)ありて現金なき我がためには...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...まことに現金なごまをする...
海野十三 「地軸作戦」
...客足は現金なもので毎日のやうに寂(さび)れ出した...
薄田泣菫 「茶話」
...よか百姓でん現金な無かとだもん……」よか百姓でない貧農の女房たちは...
徳永直 「冬枯れ」
...それは現金なもので...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...現金な看護婦だと啓介が云ったほど...
豊島与志雄 「二つの途」
...「はははは、現金なものじゃ、燈心を掻き立てて油を差したらば火が明るくなったわい、火が明るくなったから四辺の物がよく見えるわい、よく見えるけれども机はおらぬわ、竜之助が姿を見せぬわい、はて、この夜中に、どこへ行った、眼の見えぬくせに、はははは、眼が見えぬから夜と昼の区別がつかず、どこぞへ彷徨(さまよ)い出したかな」神尾主膳には酒乱の癖があります...
中里介山 「大菩薩峠」
...張りきって力み返ったのは現金なものです...
中里介山 「大菩薩峠」
...花火なんざどうでも宜いんで」「現金な野郎だな」「腹を減らして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...さっさと外へ飛び出していってしまう現金な奴...
堀辰雄 「卜居」
...「現金な野郎だな...
正岡容 「圓太郎馬車」
...総じて世の中は与ふる者威張(いば)り与へらるる者下るの定則と見えてさすがの兵卒殿も船の中に居て船の飯を喰ふ間は炊事場の男どもの機嫌を取る故にや飯焚(めしたき)の威張る面(つら)の憎さ実(げ)にも浮世は現金なり...
正岡子規 「従軍紀事」
...現金なもんだわ...
三好十郎 「疵だらけのお秋(四幕)」
...おっしゃる通りに……(内に入る)長五 現金な野郎だ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...それでもお蔭様で生き上(あが)りますと又、現金なもので、折角、思い知った親の恩も何も忘れて博奕は打つ……××はする……...
夢野久作 「近世快人伝」
...妾はお腹の虫の現金なのに呆れてしまった...
夢野久作 「ココナットの実」
...アイツは現金なんか持ってやしないよ」「それはそうかも知れませんわねえ」女将は...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...「現金なものですね...
横光利一 「夜の靴」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??