...現金な男は見た事がない...
芥川龍之介 「俊寛」
...全く現金な両人だ...
海野十三 「火星探険」
...それから現金なり物品なりの新規の受入れのある都度...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...学位を取った日から勉強をやめてしまうような現金な学者が幾人かはあるとしても...
寺田寅彦 「学位について」
...右の報を左に取る現金な都人から見れば...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...よか百姓でん現金な無かとだもん……」よか百姓でない貧農の女房たちは...
徳永直 「冬枯れ」
...現金な看護婦だと啓介が云ったほど...
豊島与志雄 「二つの途」
...「はははは、現金なものじゃ、燈心を掻き立てて油を差したらば火が明るくなったわい、火が明るくなったから四辺の物がよく見えるわい、よく見えるけれども机はおらぬわ、竜之助が姿を見せぬわい、はて、この夜中に、どこへ行った、眼の見えぬくせに、はははは、眼が見えぬから夜と昼の区別がつかず、どこぞへ彷徨(さまよ)い出したかな」神尾主膳には酒乱の癖があります...
中里介山 「大菩薩峠」
...たちまち津田を放(ほう)り出した現金な彼は...
夏目漱石 「明暗」
...花火なんざどうでも宜いんで」「現金な野郎だな」「腹を減らして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あれ美いちやんの現金な...
樋口一葉 「たけくらべ」
...さっさと外へ飛び出していってしまう現金な奴...
堀辰雄 「卜居」
...「現金な野郎だな...
正岡容 「圓太郎馬車」
...総じて世の中は与ふる者威張(いば)り与へらるる者下るの定則と見えてさすがの兵卒殿も船の中に居て船の飯を喰ふ間は炊事場の男どもの機嫌を取る故にや飯焚(めしたき)の威張る面(つら)の憎さ実(げ)にも浮世は現金なり...
正岡子規 「従軍紀事」
...人間は実に現金なものであるということを今更に知ることが出来る...
正岡子規 「病牀苦語」
...現金なもんだわ...
三好十郎 「疵だらけのお秋(四幕)」
...おっしゃる通りに……(内に入る)長五 現金な野郎だ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...「現金なものですね...
横光利一 「夜の靴」
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