...その文句(もんく)は何(なん)でも観世音菩薩(くわんぜおんぼさつ)の「庭に年(とし)経(へ)し槐(ゑんじゆ)の梢(こずゑ)」に現れるとか何(なん)とか云ふのだつた...
芥川龍之介 「槐」
...一輪車の怪と名づくるもの現れたことがある...
井上円了 「おばけの正体」
...待ちに待った引取人が現れた...
海野十三 「赤外線男」
...あの異形の者は……」どこから現れたか...
海野十三 「地球発狂事件」
...もしか僕が貴女の前に現れなかったら...
海野十三 「千早館の迷路」
...現れようとは! 穴のあくほど人の顔を見守っていた後...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...西洋にても伊太利亜(イタリヤ)の喜劇には幕明(まくあき)に作者の現れ出づるもの往々にしてこれありといふ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...小艇の底を潛つては右に左に現れ...
中島敦 「環礁」
...大概は変なところから現れて来たが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...事物の過去と現在の現れを結合し...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...そしてその場に現れたのは美男の障害者と...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...見事な月夜だといふのに!)向つて来る一団の人声が現れたので私は草の中に蹲つた...
牧野信一 「鬼の門」
...たゞそれが様々なかたちで現れるが故に目先きでは屡々思ひ誤るが...
牧野信一 「昔の歌留多」
...「それあもう行かれる位ひならば僕は、とつくにひとりでに行つてゐるんだが――」「資金の調達は、出来さうもありませんかね?」「偽りの言葉と姿よ、感覚と世界を変へよ、而して、こゝに現れよ、また、かしこにも――と云ひたいところさ...
牧野信一 「武者窓日記」
...それらの雑誌に現れる既成作家のものとなると...
牧野信一 「浪曼的時評」
...こんにち文明の利器として現れて来ておりますその多くは...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...地震に先立って現れる特殊な大気中の現象について...
武者金吉 「地震なまず」
...雪の上に一すぢ春の路は虹の如くほのぼのとして現れぬ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
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