...手くびにかけた青玉(あをだま)の「こんたつ」(念珠)を見ても...
芥川龍之介 「奉教人の死」
...しかし珠子があれ以来私に対し行方をくらまし...
海野十三 「大脳手術」
...真珠のゾウを見せていると...
江戸川乱歩 「おれは二十面相だ」
...人の誠実を到底理解できず、おのれの自尊心を満足させるためには、万骨を枯らして、尚、平然たる姿の二十一歳、自矜(じきょう)の怪物、骨のずいからの虚栄の子、女のひとの久遠の宝石、真珠の塔、二つなく尊い贈りものを、ろくろく見もせず、ぽんと路のかたわらのどぶに投げ捨て、いまの私のかたちは、果して軽快そのものであったろうか、などそんなことだけを気にしている...
太宰治 「虚構の春」
...「好い処とも、それは好い処だよ、磯(いそ)には球(たま)にする木が生えていたり、真珠を持った貝があったりするから、黄金(こがね)ときれいな衣(きぬ)をどっさり積んだ商人船(あきんどぶね)が都の方から来て、それと交易(かえかえ)して往くことがあるよ」「球(たま)にする木と、真珠を持った貝、何故(なぜ)またそんな好い処を捨てて、こんな地獄のような処へやって来た」「人買(ひとかい)に掠奪(さら)われたのさ」「お前もやっぱりそうか、俺もそうだが、俺は小供の時だった、故郷は判らないが、どうもここから東北(ひがしきた)のように思われる、やっぱり海があって、海の中には数多(たくさん)の島があった、掠奪われた日は、暑い日の夕方だ、磯(いそ)へ一人出て遊んでいると、珍らしい船が着いた、俺は何船(なにぶね)だろうかと思って、傍へ往ってみると、顔の赧(あか)い男が出て来て、好い物を見せてやろうと云うから、うっかり船へあがって往くと、そのまま船底(ふなぞこ)の室(へや)へ投(ほう)り込まれて伴(つ)れて来られた、お前はどうして掠奪われた」「俺か、俺は、人魚を見に往って掠奪われた」「え、人魚……」と、老人には合点(がてん)がゆきません...
田中貢太郎 「宇賀長者物語」
...水晶の数珠・藤の花・梅の花に雪の降りかゝりたる...
中島敦 「鏡花氏の文章」
...『周易参同契』の中に、「太陽流珠、常に人を去らんと欲す」という文字がある...
中谷宇吉郎 「露伴先生と神仙道」
...その一つ一つが珠玉のように美しい...
野村胡堂 「楽聖物語」
...真珠のような涙が光ります...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...尤も歡喜天の女體の方は額の珠を拔かれて疵物(きずもの)になつて居るから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...差櫛(くし)や珊瑚珠(たま)のついた鼈甲(べっこう)の簪を懐紙につつんで帯の間へ大事そうにしまいこみ...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...文珠問経の戒法に則(のっと)って百戒の戒相を保ち...
久生十蘭 「新西遊記」
...今黄金(こがね)の珠(たま)がいざって遠い海の緑の波の中に沈んで行(ゆ)く...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...袖口(そでぐち)に引き入れて見せない用意をしながら数珠(じゅず)を手へ掛けていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その珠をことんとはめ込むように石が彫ってあった...
柳田国男 「故郷七十年」
...黒いスーツの胸に真珠らしい首飾りを巻き...
山川方夫 「その一年」
...みな数珠(じゅず)つなぎにされて...
吉川英治 「新書太閤記」
...珠(たま)を抱(いだ)くように...
吉川英治 「宮本武蔵」
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