...就中(なかんずく)薄い水苔のついた小林平八郎の墓の前に曼珠沙華の赤々と咲いていた景色は明治時代の本所以外に見ることの出来ないものだったかも知れない...
芥川龍之介 「本所両国」
...蛤が六つ七つ、むらむらと渚を泳いで、左右を照らす、真珠の光...
泉鏡花 「浮舟」
...火に燃えぬ石綿の微塵が眞珠の光を放つて...
レミ・ドゥ・グルモン Remy de Gourmont 上田敏訳 「さしあげた腕」
...紫衣も珠玉も絵画も主(しゆ)は確(たしか)に嘉し給はぬ...
マルセル・シュヲブ Marcel Schwob 上田敏訳 「法王の祈祷」
...どちらかと言ふと器用な性で、将棋、聯珠、大弓、弓なんかあの痩せつぽちの小さな体躯をしながら相当強いのを引いたからネ...
関根金次郎 「本因坊と私」
...それには有珠嶽が噴火した...
田中貢太郎 「日本天変地異記」
...念珠玉草を見つけて...
種田山頭火 「其中日記」
...雷の神と珠とを一緒に生捕る工夫(くふう)をしました...
豊島与志雄 「雷神の珠」
...彼は手頸(てくび)に珠数(じゅず)を懸けていました...
夏目漱石 「こころ」
...それがたくさんな眞珠で詰められてあつた...
野上豐一郎 「奈良二題」
...何となく真珠色の光の漲るこの席上には不似合な風体(ふうてい)ですが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...竹松には何んでもない隱し藝だ」「あの殺された百姓の爺さんは」「眞珠太夫の父親だよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それを釜に盛りて焔味球という珠を下に置けば...
南方熊楠 「十二支考」
...時々お数珠におデコを撫でて貰っていい気持になりたがるところがあった...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いわゆる大茶人と称せられる人々で珠光(じゅこう)とか紹鴎(じょうおう)とか利休(りきゅう)とかまたは相阿弥(そうあみ)のような人々である...
柳宗悦 「工藝の道」
...――播州(ばんしゅう)飾磨(しかま)の玲珠膏(れいじゅこう)の本家で名物の目薬を買ったことのある者ならこのむすめには見覚えのあるはずであるが...
吉川英治 「黒田如水」
...戛玉(かつぎょく)とよぶ珠だよ...
吉川英治 「三国志」
...わしはお前にその真珠の秘密を明かすとしよう...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「真珠の首飾り」
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