...けだし珍妙なものだった...
石川欣一 「比島投降記」
...その顋(あご)に絡まる※(ひげ)は実にすこぶる珍妙なもので見られたざまじゃないと思った...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...一時しのぎの珍妙な風体だ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...暗夜の中をおずおずと現場へ進んで行った珍妙な様子が目に見えるようです...
江戸川乱歩 「黒手組」
...つづいて、珍妙な、所謂「直言」が試みられている...
太宰治 「惜別」
...自分で画きながら噴き出してしまうほど珍妙な趣向が生れるのでした...
太宰治 「人間失格」
...てめえたちが飲めない程の珍妙なウイスキイを...
太宰治 「美男子と煙草」
...『諸君は……身体の……健康を……壮健にし……』などといふ珍妙な文句が聴衆を失笑させたことも度々であつた...
辰野隆 「浜尾新先生」
...ロイド眼鏡のオヤジの恰好は随分珍妙なものに違いない...
種田山頭火 「私の生活」
...想像してゐたよりもはるかに珍妙な仮装であることが判つた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...珍妙な物さびしい家の傍に立った...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...それに紋付き羽織袴(はかま)の男装をした婦人が酒樽(さかだる)に付き添って嫁入り行列の先頭に立っている珍妙な姿が写っている...
寺田寅彦 「三斜晶系」
...実に力の珍妙な証明法ではないか...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...かなり珍妙な問答がとりかわされたけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...珍妙な子守唄を」と甚三郎が思い出していると...
中里介山 「大菩薩峠」
...珍妙な挨拶を取交しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...その話があまりにも珍妙なため...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...抑(そもそ)も右の宇田川氏が何処の隅からこんな珍妙な字を引出して来たかと言うと...
牧野富太郎 「植物記」
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