...俊助は当然なるべきこの表情を妙にもの珍しく感じながら...
芥川龍之介 「路上」
...倉地の目も珍しく曇っていた...
有島武郎 「或る女」
...それに今日は珍しく刑事部長御自身出馬なんだ...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...もう二十年も前にドイツの何某が試みて失敗したものだよ」といったようなことをしたり顔に云って他人の真面目なそうして実際はかなり有望な独創的研究をあたまからけなしつけるようないわゆる大家も決して珍しくはない...
寺田寅彦 「変った話」
...四人くらいしか乗客はなくてこの頃のこの辺のバスには珍しくのんびりしていた...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...第三のになると降りる人の降りたあとはまるでがら明きの空車になる事も決して珍しくない...
寺田寅彦 「電車の混雑について」
...珍しくもなければ況して悪いことでも何でもないのだが...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...私は珍しく食べた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...雲の往来(ゆきき)するにつれて山の色の変るのが非常に物珍しく思われたのであった...
永井荷風 「十六、七のころ」
...一ぺん内地へ歸つたら二度と戻つて來た人は無いんだものねえ」と珍しくしみ/″\と言つた...
中島敦 「環礁」
...父さんは珍しくお酒を呑んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...珍しく靜かな晩で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...遠い昔の女性さへ偲ばれる哀調を帯びて珍しく弱音を吐かれたものであつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...珍しく涼しくて混んだ汽車でも大助りでした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...珍しく美しい少皇女をお得になったことで非常な御満足をあそばされた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それぐらいな変化は伝説には珍しくないのみならず...
柳田國男 「日本の伝説」
...もの珍しくてならないらしい...
吉川英治 「私本太平記」
...なんとも珍しく眺められた...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索