...栄介はもの珍しそうに...
梅崎春生 「狂い凧」
...そのまま二日も三日も帰らないことさえ珍らしくはなかった...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...珍らしく老母とさちよを相手に...
太宰治 「火の鳥」
...薬草の珍しきを愛(め)でて手折(たお)ろうとの道草もござりません...
中里介山 「大菩薩峠」
...たまたま谷底から出て來ると互に珍らしいのだ...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...綴織(つづれおり)か繻珍(しゅちん)か...
夏目漱石 「虞美人草」
...この岡っ引にしては珍しく人間味のある男...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その頃としては実に珍らしい大形の立鏡(たてかがみ)を贈られたりした...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...見る事聞くこととかく頓珍漢(とんちんかん)なことばかり...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...又他国者の珍しさが 沙に居て浅草者の宿男島に逃れて来しわけを述ぶ などとも歌はれ居り...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...帰り損ふことが珍らしくなかつたが...
牧野信一 「タンタレスの春」
...そしてその色の濃い品を特に紅(ベニ)スジと称して珍重する...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...オトヒメカラカサ海藻である緑藻部(Chlorophyceae)の中に緑色のやさしい姿をしている石灰質の珍らしいオトヒメカラカサ(乙媛傘...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...クモ網で一匹の珍しい魚が捕まえられたのである...
武者金吉 「地震なまず」
...こうした珍しい話がお耳にはいっていながら...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...大師講(だいしこう)という珍しい名をもった節日で...
柳田国男 「年中行事覚書」
...後に子飼男爵家の珍襲(ちんしゅう)する所となったが...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...翌日の新聞は伯爵邸の珍事でいっぱいであった...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
便利!手書き漢字入力検索