...珍しい笑ひ顔を見せました...
芥川龍之介 「雛」
...珍しく客のない静かな晩だった...
高見順 「如何なる星の下に」
...現に生きて活動している文人にゆかりのある家をこういうふうにしてあたかも古人の遺跡のように仕立ててあるのもやはりちょっと珍しいような気がする...
寺田寅彦 「あひると猿」
...「お爺(じい)さん、あなたは平家の落武者なんでしょう」「へ、へ、へ」弥兵衛老人は人相よく笑って、「山奥へ行きますてえと、どこへ行っても、平家の落武者はいますねえ」「でも、お前さんこそ、本当の落武者なのでしょう」「やっぱり、先祖はね、そんな言いつたえもあります、珍しい遺物も、残っているにはいますがねえ」「どこなんですか、お住居(すまい)は」「あの山の裏の谷です」「え」「そら、あの真白い、おごそかな山が、北の方に高く聳(そび)えておりましょう、御存じですかね、あれが加賀の白山(はくさん)でございますよ」「まあ、あれが加賀の白山でしたか」お雪はいま改めて、群山四囲のうち、北の方に当って、最も高く雪をかぶって、そそり立つ山を惚々(ほれぼれ)と見ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...毛の色の変った珍客――昔二ツ眼のある人物が...
中里介山 「大菩薩峠」
...この不時の珍客のために...
中里介山 「大菩薩峠」
...此の淡い影のやうな蟹は珍しい...
中島敦 「環礁」
...その外にちょっと探偵小説風な興味もある珍しい話なのである...
中谷宇吉郎 「球皮事件」
...人間のセージとは珍らしいなと演説者はからからと笑う...
夏目漱石 「カーライル博物館」
...しかし智識以上の珍宝が世の中にあろうか...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...珍らしく此方から水を向けました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今日の御馳走はいずれも珍らしゅうございますが...
村井弦斎 「食道楽」
...あるとき珍らしく声をかけた...
室生犀星 「しゃりこうべ」
...東京からそのころとしては珍しい新刊書を送ってくれた石合という人は...
柳田国男 「故郷七十年」
...珍しい本ばかり出す本屋の主人らも来ていた...
柳田国男 「故郷七十年」
...凄い珍しい囚われ方をした鼻の表現も...
夢野久作 「鼻の表現」
...それで先生は私達に珍らしい所を見せようと云つて...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...この遠来の客の珍らしい話に驚くのみで...
和辻哲郎 「鎖国」
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