...それから玉(ぎよく)の文鎮(ぶんちん)を置いた一綴りの原稿用紙――机の上にはこの外(ほか)に老眼鏡(ろうがんきやう)が載せてある事も珍しくない...
芥川龍之介 「漱石山房の秋」
...だれでしょう」と物珍しそうに玄関のほうに注意の耳をそばだてた...
有島武郎 「或る女」
...つい引き抜かれてしまうのさえ珍らしくはないのだ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...こう続けざまに芝居を見るのは私の生涯(しょうがい)において未曾有(みぞう)の珍象ですが...
夏目漱石 「虚子君へ」
...それは珍らしいな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いろいろの珍らしい贅沢なものの一杯ある美しい部屋になってしまいました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...「ほう、肴つきだぞ、こりやア、肉のあついするめだなア、珍らしいものだ...
林芙美子 「雪の町」
...向床(むかいどこ)の前に大きな朱色の繻珍の褥がおかれ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...珍らしいお名前ですね...
久生十蘭 「キャラコさん」
...珍しい支那(しな)の綾(あや)などに絵を描(か)いたりした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...希代(きたい)の名木なれば「聞く度に珍らしければ郭公(ほととぎす)いつも初音(はつね)の心地(ここち)こそすれ」と申す古歌に本(もと)づき...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書」
...などと珍問も出る...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...そのため何十人前と注文をすることが今も珍らしくありません...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...夜遲く馴染の船に往つて居るといふ場合も珍らしく無い...
柳田國男 「瀬戸内海の島々」
...珍しい我々の問題になるのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...あまり珍しいこと故...
柳田国男 「山の人生」
...あの時分は白いご飯というのをギンメシといって珍重しましたね...
吉川英治 「親鸞聖人について」
...外人の男女へ物珍しい眼をする子供ではなかったが...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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