...なにしろ当時はビスケットなどめったに口にしたこともない珍菓だったので...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...私の凡俗な聽覺に受けるその聲は非常に珍らしくはあるが...
今井邦子 「佛法僧」
...物珍らしく思って来て見たのか...
オイレンベルク Herbert Eulenberg 森鴎外訳 「女の決闘」
...座敷の中に百足が入って来る位の事は珍らしくはありませんよ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「むかでの跫音」
...簸川平野のやうに刈りこんだのは珍しい...
田畑修一郎 「出雲鉄と安来節」
...私は「珍しく繁華な街へ行ったから疳(かん)でも起ったのだろう」と云った...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...なんだか珍らしそうに朋子の方を眺めた...
豊島与志雄 「庶民生活」
...珍しくないと、主人側はことわったけれど、この場所では、非常な珍しい物であるのみならず、かなり飢えていた兵馬にとっては、美快なる食慾をそそるに充分でありましたから、やがて辞儀なしにその薯を取って食べました...
中里介山 「大菩薩峠」
...こう続けざまに芝居を見るのは私の生涯(しょうがい)において未曾有(みぞう)の珍象ですが...
夏目漱石 「虚子君へ」
...自分はこと珍らしく知つたのである...
萩原朔太郎 「月の詩情」
...五時半、終って、円タクを支那町へとばし、聘珍の二階で、掛炉焼鴨と八宝全鴨他二三食ふ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...公爵は消えたし……」「公爵には珍しい事じゃありません...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...寒気が珍らしく軽いので...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...珍らしい名の宝物宝器も無論あるが...
柳田国男 「海上の道」
...鼠のいたずらの是ほど烈(はげ)しかった島もちょっと珍らしい...
柳田国男 「海上の道」
...――島さんの家には珍しくも客があり...
山本周五郎 「季節のない街」
...成都の珍味があるに違いない...
吉川英治 「三国志」
...ふと珍しく一節切(ひとよぎり)の竹を手にとって...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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