...滝の水烟(すゐゑん)枝(えだ)に潤(うるほ)ひしが津(しづく)となり氷柱(つらゝ)となりて玉簾(たまのすだれ)をかけ周(めぐら)したるやうなるは...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...玉簾(ぎよくれん)の内に滝をおとすありさま四辺(あたり)は乱瓊(らんけい)細玉(さいぎよく)の雪中也...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...芭蕉の戀を研究して見るのだといつて『紅梅や見ぬ戀つくる玉簾』などゝいふ戀句に就ては格別の見解を持つてゐる...
高濱虚子 「俳諧師」
...紅梅や見ぬ恋つくる玉簾(たますだれ)芭蕉短夜や伽羅(きゃら)の匂ひの胸ぶくれ几董(きとう)というような恋句のごときものでもちゃんと太字のような季のものが読みこんであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...その庭を隔てた向こうの対屋(たいや)には玉簾が下がっていてその中には人のいそうな心持がする...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...その向こうには玉簾が下がっているという事実を叙し...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...家臣と雖も男子は禁制されていた玉簾(たまだれ)の奥ふかきあたりへ座頭ばかりは自由に出入を許されていたのである...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...立派な居館の玉簾(たまだれ)の奥に朝夕を過しているものと想像された...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...あきは山の端(は)にかたぶく月のひかりよりほかにうかゞうものゝない玉簾(たまだれ)のおくのおすがたを...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...美しい玉簾を宙に懸ける...
豊島与志雄 「自由人」
...白熱の玉簾だけが眼底に焼きつけられる...
豊島与志雄 「自由人」
...噴煙の中に奔騰する白熱の玉簾を見ているうち...
豊島与志雄 「自由人」
...玉簾(たまだれ)やすやす越(こ)えて...
樋口一葉 「曉月夜」
...無慘(むざん)や玉簾(たますだれ)ふき通(とほ)して此初櫻(このはつざくら)ちりかヽりし袖(そで)...
樋口一葉 「曉月夜」
...広間の裏へ廻って尾花(おばな)で編んだ玉簾(たますだれ)の隙間(すきま)から中を覗(のぞ)いた...
横光利一 「日輪」
...尾花の玉簾(たますだれ)を押し分けた...
横光利一 「日輪」
...玉簾の後(うしろ)に今まで身を潜めていた訶和郎(かわろ)は...
横光利一 「日輪」
...玉簾を跳ね上げた...
横光利一 「日輪」
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