...玄石は急に憂鬱(ゆううつ)になった...
平林初之輔 「二人の盲人」
...玄石の神経は、ますます尖ってきた...
平林初之輔 「二人の盲人」
...玄石は瞑想から覚めて...
平林初之輔 「二人の盲人」
...玄石の肺腑(はいふ)を熊手で掻きむしるようだった...
平林初之輔 「二人の盲人」
...なまめかしい脂粉(しふん)の香(にお)いが玄石の鼻をうった...
平林初之輔 「二人の盲人」
...五茶の間へひき返してきた玄石の顔には...
平林初之輔 「二人の盲人」
...玄石は、小さい硝子瓶(ガラスビン)を猫板の上にのせて、注射器を取り上げた...
平林初之輔 「二人の盲人」
...玄石は、ちょっと額に皺(しわ)をよせて、首をかしげた...
平林初之輔 「二人の盲人」
...玄石君?」彼は答えなかった...
平林初之輔 「二人の盲人」
...あっちのと取り替えてきてくれ」玄石は...
平林初之輔 「二人の盲人」
...彼女の足音が、奥の間へ消えた時、玄石の顔には、何とも言いようのない表情が浮かんだ...
平林初之輔 「二人の盲人」
...玄石が自分で自分の二の腕に...
平林初之輔 「二人の盲人」
...後(のち)子珍と同族で、同地生まれの王仲祥という人来合せ、まず先生に謁し、次ぎに子珍の宿に止まり、李玄石を見、翌日別れに臨み、子珍に、汝の友玄石は鬼(き)だ、生きた人でないと告げると、子珍、玄石はこれ上聖の聖で、経書該博ならざるなく、辺先生すらこれを推歎す、何ぞこれを人でないと言うべきと答えた...
南方熊楠 「十二支考」
...夜に及んで仲祥の言に従い試みると、暁に及び果してその通りだったから、翌日玄石に、君は鬼だという噂(うわさ)がある、本当かと問うと、玄石、誠に我は鬼だ、この事は仲祥から聞いただろう、我冥司に挙用されて、泰山の主簿たらんとするも、学薄うして該通ならず...
南方熊楠 「十二支考」
...子珍すなわち辺先生を辞し、家に帰って父を見るに、なお息しいるので、火急に酒脯銭財を郊に致(いた)し、祭り、三たびその名を呼ぶと、玄石白馬に乗り、朱衣を著(つ)け、冠蓋(かんがい)前後騎従数十人、別に二人の青衣あって節を執って前引し、呵殿(かでん)して来り、子珍相(あい)見(まみ)えて一(いつ)に旧時のごとし...
南方熊楠 「十二支考」
...玄石、子珍に語るよう、汝眼を閉じよ、汝を伴れ去って父を見せようと...
南方熊楠 「十二支考」
...玄石、子珍に語ったは、向(さ)きに汝を伴れて汝の父を見せんと思いしも、汝の父、今牢獄にあって極めて見苦しければ、今更見るべきにあらず...
南方熊楠 「十二支考」
...百三十八歳まで長生したは李玄石の陰祐(いんゆう)による...
南方熊楠 「十二支考」
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