...――彼は「新生」の主人公ほど老獪(らうくわい)な偽善者に出会つたことはなかつた...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...いやらしく老獪(ろうかい)な検事との一問一答の内容でありますが...
太宰治 「女の決闘」
...同時にこの上なく有力で老獪な霊が...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...何か狡獪(こうかい)な敗徳漢のように思われてならなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...是れ寧ろ侯の老獪のみ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...肉食獣のような獰猛(どうもう)狡獪(こうかい)な顔つきが現われた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...狡獪(かうくわい)な髪結(かみゆひ)等いづれも生々(いきいき)とした新しい興味を以て写し出されてゐる...
永井荷風 「虫干」
...ボリス大公を老獪(ろうかい)ゾロフから解放することがムーアの任務だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...この手段甚だ狡獪(こうかい)なるを以て往々力を費さずして佳句を得ることありといへども...
正岡子規 「俳諧大要」
...ころんでも只は起きぬ狡獪(こうかい)さとで鳴らした人間だけあって...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...玄機にはそれが甚しく狡獪(こうかい)なように感ぜられた...
森鴎外 「魚玄機」
...ひいきめにみても老獪(ろうかい)という感じはまぬかれない...
山本周五郎 「いさましい話」
...老獪という以外には評しようがなくなった」「では...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...老刑事のネチネチした老獪(ずる)い手段が...
夢野久作 「冗談に殺す」
...老獪場馴れの曲者...
吉川英治 「剣難女難」
...燕作(えんさく)はソロソロ狡獪(こうかい)な本性(ほんしょう)をあらわして...
吉川英治 「神州天馬侠」
...郷国の領民にまみえるつもりか」老獪な叔父二人は...
吉川英治 「平の将門」
...さきは老獪(ろうかい)である...
吉川英治 「平の将門」
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