...あるいは花をつけた猫柳(ねこやなぎ)のように...
芥川龍之介 「お時儀」
...猫柳ほゝけし上にかゝれる日うしほ今和布(め)を東(ひんがし)に流しをり潮の中和布を刈る鎌の行くが見ゆ二月十九日 発行所例会...
高浜虚子 「五百五十句」
...・生きてゐるもののあはれがぬかるみのなか・いつも馬がつないである柳萠えはじめた・猫柳どうにかかうにか暮らせるけれどぬくい雨でうつてもついても歩かない牛の仔で・焼芋やいて暮らせて春めいた・監獄の塀たか/″\と春の雨ふる・病院の午後は紅梅の花さかり・ずんぶりと湯のあつくてあふれる(湯田温泉)・早春...
種田山頭火 「其中日記」
...猫柳のような灌木が繁っていて...
永井荷風 「里の今昔」
...私は火避地のやや御所の方に近く猫柳が四...
永井荷風 「日和下駄」
...路上に捨てたるもの猫柳の枝...
長塚節 「十日間」
...猫柳(ねこやなぎ)をはじめ...
新美南吉 「ごんごろ鐘」
...ああ 露しげくしつとりとぬれた猫柳 夜風のなかに動いてゐます...
萩原朔太郎 「青猫」
...猫柳つめたく青ざめた顏のうへにけ高くにほふ優美の月をうかべてゐます...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...ああ なにといふ戀しさなるぞこの青ざめた死靈にすがりつきてもてあそぶ夜風にふかれ猫柳のかげを暗くさまよふよ そは墓場のやさしい歌ごゑです...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...辰男君床の間に蚕を飼ふよく眠る御蚕に大幅懸りけりふらこゝを掛けて遊ぶや神の森鞦韆にしばし遊ぶや小商人代馬や又廻り来し草の門遠き祖の墳墓のほとり耕しぬ炉塞や一枝投げさす猫柳炉塞いでしとね並べぬ宿直人炉塞いで人逍遙す挿木垣青々と挿木の屑の掃かれけり一鍬の田の土盗む挿木かな口とぢて打ち重りつ種俵種まくや火の見梯の映す水に種俵大口あけて陽炎(かげろ)へり守水老...
前田普羅 「普羅句集」
...河岸の猫柳や栗の繁みに現れるウヅラやヒヨを打ち落した...
牧野信一 「書斎を棄てゝ」
...私は不安な上眼づかひで猫柳の杖を突き――一行は暁の星が輝いてゐる時刻に沼の縁を出発した...
牧野信一 「剥製」
...おみなへし、へらしだ、われもかう、烏萩、こうや万年草、いちはつ、狐の行灯、烏瓜、ぶらぶら提灯花、孔雀歯朶、盗棒萩、犬虱、しほん、獅子舞ひ蓮華、猫柳……等々と、一見見渡したゞけで忽ち百種類も数へあげることが出来るのである...
牧野信一 「バラルダ物語」
......
槇本楠郎 「赤い旗」
...井戸と猫柳の木をグルグル廻りながら...
吉川英治 「江戸三国志」
...猫柳の葉も散らさず...
吉川英治 「江戸三国志」
...枯れ蘆(あし)と、低い団栗(どんぐり)の木、猫柳、野梅が二、三本...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
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