...劇の如きも今日でこそ猫も杓子も書く...
内田魯庵 「明治の文学の開拓者」
...一時は猫も杓子も有頂天になって...
内田魯庵 「四十年前」
...猫も杓子も浮れ出す...
大町桂月 「久地の梅林」
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關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...一頃猫も杓子も騒ぎ立てた本で...
戸坂潤 「読書法」
...時間が経つに従って猫も杓子も口癖にするようになると...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...美人画の五渡亭国貞(ごとていくにさだ)、風景画の一立斎広重(いちりゅうさいひろしげ)、武者絵の一勇斎国芳(いちゆうさいくによし)と名人上手簇出(ぞくしゅつ)の勢(いきおい)に駆られて、天保年間の流行は、苛(いやしく)も絵心あるものは、猫も杓子も、いや国主大名から、質屋の亭主、紺屋の職人までも、浮世絵を描いて、その巧緻精妙な技巧の末を競ったのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...猫も杓子も「人間性」でなければ夜も明けない世の中ではないか...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...文久のはじめごろは猫も杓子も万年青つくり...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...猫も杓子も自分の長官の猿真似をしているのである...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...『やあ、おとっつぁん、燕麦は一升いくらで売ったね?』とか、『昨日の薄雪で、いい猟ができたろうね?』と訊く代りに、猫も杓子も、『新聞には何と出ているね? ナポレオンをまた、島から釈放したんじゃなかろうね?』などと言ったものである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...俳句などは文字通り猫も杓子もといふ有様で...
北條民雄 「癩院記録」
...この二人の声いろは例へばこの間うちの高瀬実乗の「ワシやかなはんよ」のごとく猫も杓子も口真似したものだつた...
正岡容 「大正東京錦絵」
...猫も杓子も立ち上がって踊るのを見るたんび...
正岡容 「寄席」
...日本に帰って来たら猫も杓子もスカラ座...
三浦環 「お蝶夫人」
...猫も杓子も全集物に着手したのであるが...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...流行る人の處へは猫も杓子も尋ねて行く...
森林太郎 「長谷川辰之助」
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