...要もない猜疑(さいぎ)と不満とにさえぎられて...
有島武郎 「或る女」
...わが国に対する妥当でない猜疑心(さいぎしん)によるものである...
海野十三 「地球発狂事件」
...猜疑心の強い、不具の老婆は、私が何か家の中を見廻りでもするかと疑(うたぐ)ったものらしい...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...どこか信頼しきれないという猜疑心のために多くは去就の態度に迷っていたのである...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...彼女の猜疑は、こんな予想外な形でいったん燃え上がったが、そのあとで再び鎮静に帰した...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...他を陥れなければ止まない猜疑心(きいぎしん)...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...余は一種猜忌(さいき)の眼を以て彼等を見送った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...上申者への告げ口によって将校らの間に起こる猜疑(さいぎ)...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...お人良しと猜疑(さいぎ)とのまざりあった其の眼付...
中島敦 「虎狩」
...年とともに群臣への暗い猜疑(さいぎ)を植えつけていった...
中島敦 「李陵」
...個人としても国民としても自ら悪意や猜疑心(さいぎしん)を以て暗雲を立て...
新渡戸稲造 「東西相触れて」
...例の避け難い猜疑心から...
久生十蘭 「湖畔」
...残忍酷薄の人たらずんば必ず猜疑褊狭(さいぎへんきょう)の人たるべきなり...
正岡子規 「病牀譫語」
...何事に依(よ)らず友達(ともだち)の言う事を猜疑(さいぎ)の耳を持って聞く癖が付いているので...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...ふと猜疑(さいぎ)の眼をひからせた...
吉川英治 「黒田如水」
...また始まったなという程度に信長の猜疑(さいぎ)にはあらかじめ理解を備えていたからである...
吉川英治 「黒田如水」
...同藩の猜疑(さいぎ)などにも耐えて...
吉川英治 「新書太閤記」
...たれであろう?」すこし猜疑(さいぎ)ぶかい目をした...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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