...家庭の主権者などもそのころから猜疑(さいぎ)の目を見張って少女国を監視し出した...
有島武郎 「或る女」
...私達の恋を妨げようと企(くわだ)てたのではあるまいか」自惚(うぬぼれ)の強い私の猜疑心(さいぎしん)は...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...邦人自ら知らずして他よりかくの如く猜視(さいし)され...
大隈重信 「列強環視の中心に在る日本」
...その間に英国はますます猜疑の眼を光らし...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...なんでパンをよこすのかと猜疑(さいぎ)にみちた眼なのである...
高見順 「いやな感じ」
...ほんとうの青年は猜忌(さいき)や打算もつよく...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...非常に猜疑心に富んで人と語る時には常に上眼遣いをして相手を見る不愉快な癖があります...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...猜疑心を養った...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...猜疑(さいぎ)嫉妬(しっと)の俗論轟々(ごうごう)として沸くが如き時...
永井荷風 「江戸芸術論」
...其の子弟に對する猜疑と臆斷に滿たされた日本の家庭に春子を訪問するのは此の場合どうであらうかと躊躇もされる...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...既に成人した息子達にも猜疑の眼を向けずにはいられない...
中島敦 「妖氛録」
...いまや猜疑心で満ち溢れている...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...房々とした眉毛の下に猜疑心の強い陰気に光る眼があり...
久生十蘭 「湖畔」
...それは資本家共通のものだ!神聖と封鎖と猜疑といろんな悪徳と戦争えの投資と累々たる死屍と!―――否...
槇村浩 「獄内にてドイツの同志を思う歌」
...猜疑(さいぎ)の目附(めつ)きで見たり...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...猜疑(さいぎ)ぶかく...
吉川英治 「私本太平記」
...噂していないか」猜疑(さいぎ)に尖(とが)った眼は...
吉川英治 「親鸞」
...猜疑(さいぎ)して上洛せぬとすれば推問使(すいもんし)を下向させて...
吉川英治 「平の将門」
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