...余りの猜疑(さいぎ)心を浅間(あさま)しい様に思ったが...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...」猜疑深(うたぐりぶか)い叔母は淋しい顔にヒステリー性の笑(え)みを洩(も)らした...
徳田秋声 「足迹」
...仲間たちのつまらない猜疑(さいぎ)や...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...お人良しと猜疑(さいぎ)とのまざりあった其の眼付...
中島敦 「虎狩」
...もし猜疑(さいぎ)の眸(ひとみ)が一度お延の眼の中に動いたら事はそれぎりであると見てとった彼は...
夏目漱石 「明暗」
...淺ましい野心と嫉妬と猜疑とがあつた...
「修道院の秋」
...侮蔑と憎悪と猜疑との眼...
平林初之輔 「動物園の一夜」
...これは猜疑ではなく的確な批評かも知れなかつた...
北條民雄 「道化芝居」
...にんげんは猜(ず)るくて不人情で...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...猜疑(さいぎ)一苦境に立てば立つほど強くなる彼...
吉川英治 「黒田如水」
...それが反(そ)れて猜疑化することは往々(おうおう)にしてある...
吉川英治 「黒田如水」
...また始まったなという程度に信長の猜疑(さいぎ)にはあらかじめ理解を備えていたからである...
吉川英治 「黒田如水」
...自分の猜疑(さいぎ)を裏書きされたものの如く...
吉川英治 「三国志」
...それも決して女性の猜疑を刺すほどではなく「だいじにせよ」と...
吉川英治 「私本太平記」
...まったく秩序を失った猜疑(さいぎ)ぶかいただの群集と化し去ってしまったもののようにみえる...
吉川英治 「私本太平記」
...同藩の猜疑(さいぎ)などにも耐えて...
吉川英治 「新書太閤記」
...うぬぼれや虚栄心や猜みなどのような私心を去らなくては...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
...猜疑か、嫉妬か、或は単なる権力欲か...
和辻哲郎 「鎖国」
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