...その耳はやむ時なき猜疑(さいぎ)に震えている...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...それは働きのない人間どもが他人の成功を猜(そね)んでいうことで...
有島武郎 「星座」
...眼鏡越に時々猜疑深い樣な目付をする...
石川啄木 「菊池君」
...地球人類がお互い同士に猜疑(さいぎ)し...
海野十三 「地球発狂事件」
...若し隠れた通路があるとすれば……」川手氏の猜疑(さいぎ)は果てしがないのである...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...そしてそれに対する猜疑心の発生を十分に防がなければならぬ...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...文芸上の天才には時として(敏感性の半面として)甚だしい猜疑の発作があります...
土井晩翠 「漱石さんのロンドンにおけるエピソード」
...まるで背むしか小人(こびと)のように、猜疑心が強くて、怒りっぽい...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...その頃の世の中には猜疑(さいぎ)と羨怨(せんえん)の眼が今日ほど鋭くひかり輝いていなかったのである...
永井荷風 「雪の日」
...既に成人した息子達にも猜疑の眼を向けずにはいられない...
中島敦 「妖氛録」
...これは猜疑ではなく的確な批評かも知れなかつた...
北條民雄 「道化芝居」
...それ故に彼はつねに猜疑心に苦しめられる...
三木清 「人生論ノート」
...こちらの村にばかり落ることを猜(そね)んでいた...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...猜疑(さいぎ)は次第に深くなり...
森鴎外 「魚玄機」
...――あらゆる種類の人間を猜疑(さいぎ)し...
吉川英治 「私本太平記」
...こうまでして、権力(けんりょく)や栄花に妄執(もうしゅう)した貴族心理は、われら庶民の理解には、遠すぎて、縁(えん)なきもののようですが、次に、地下(ちげ)から擡頭(たいとう)した新興勢力の平家一門も、また源氏の野人も、次々に、同じ軌(わだち)を泥上(でいじょう)にえがいて、宿業の車輪は、興亡、流転、愛憎、相剋(そうこく)、猜疑(さいぎ)、また戦争など、くり返しくり返し止(とど)まるところがなかったのです...
吉川英治 「随筆 新平家」
...王は常に周囲に対する猜疑心になやまされていた...
和辻哲郎 「鎖国」
...猜疑か、嫉妬か、或は単なる権力欲か...
和辻哲郎 「鎖国」
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