...屹(きっ)と猜疑(さいぎ)の瞳を技師に向くると同時に...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...当時余は思えらく基督教会なるものは地上の天国にしてその内に猜疑憎悪の少しも存することなく...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...その方の猜疑心(さいぎしん)は人一倍発達しているだろうからね...
江戸川乱歩 「黒手組」
...なかんずく太平洋の彼岸なる北米合衆国は、我が国の勃興に最も驚愕し、猜疑し、戒心せる国で、近時その太平洋岸の防備をしきりに喧(やか)ましく騒ぎ立てるのは、実にこれがためである...
大隈重信 「世界平和の趨勢」
...猜疑(さいぎ)心...
大隈重信 「平和事業の将来」
...非常に陰惨な陰気な沈鬱な執拗で吝嗇で猜疑心が深いという...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...いまだ商業家・製造者の険悪なる猜疑心のごとく欧州の平安を害したるものあらざるなりと...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...その後は彼の陰険な猜疑(さいぎ)心もすっかり和らいで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ますます彼の猜疑心を尖らした...
平林初之輔 「二人の盲人」
...保守論者の流より之を見れば猜疑なきを得ず...
福沢諭吉 「帝室論」
...嫉妬から、猜疑心から、競爭心から、好奇心から、等々...
三木清 「人生論ノート」
...門番も猜疑心(さいぎしん)を起さずに応対して...
森鴎外 「大塩平八郎」
...もっと楽に救われたろうが――城中で荒木村重からたびたび聞かされたことばによると――信長公にはこの官兵衛をいたく猜疑(さいぎ)しておられるとか...
吉川英治 「新書太閤記」
...そうした白眼と猜疑(さいぎ)には...
吉川英治 「新書太閤記」
...噂していないか」猜疑(さいぎ)に尖(とが)った眼は...
吉川英治 「親鸞」
...猜疑(さいぎ)と警戒心だけに張りつめていたものが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...もっと続けて」「……同(トモ)ニ長干(チョウカン)ノ里ニ居リ両小嫌猜(ケンサイ)ナシ十四...
吉川英治 「宮本武蔵」
...人を猜(そね)み...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
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