...夫人から馬車賃を貰ひそこねた事を思ひ出して狼狽した...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...彼は狼狽して可哀さうであつた...
武田麟太郎 「現代詩」
...」私は隣室のあの事を告げて小川君を狼狽させる企てを放棄していた...
太宰治 「母」
...お銀は狼狽(うろた)えて...
徳田秋声 「黴」
...狼狽(ろうばい)して見守った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...主客の狼狽は譬(たと)うるに物がないのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...またしても火事! と災難の再来に狼狽(ろうばい)したのではありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...謂はば周章狼狽の結果でもあらう...
中原中也 「撫でられた象」
...狼狽(ろうばい)した気味の私は...
夏目漱石 「こころ」
...門野が少し狼狽(うろた)えた容子で遣(や)って来て...
夏目漱石 「それから」
...おきぬ (急所を突かれて狼狽し)まあ...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...狼狽(あわ)てて片端(かたはし)から及第のお呪(まじな)いの御符(ごふう)の積(つもり)で鵜呑(うのみ)にして...
二葉亭四迷 「平凡」
...それらの態度の狼狽(うろた)えた内気な...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...併し謹厳といふ字を僕の形容に使ふことに極めてゐる新聞記者諸君が狼狽しては気の毒だと思つて止めた...
森鴎外 「追儺」
...狼狽(ろうばい)にも似た断行に出たかといえば...
吉川英治 「私本太平記」
...虚をつかれ、狼狽して、なすを知らなかった従者たちが、主人勘右衛門を抱き起してみると、佩(は)いていた陣刀がなくなっていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...どうしましょう」お吉が狼狽(ろうばい)して...
吉川英治 「松のや露八」
...狼狽(ろうばい)して...
吉川英治 「柳生月影抄」
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