...刑事は狼狽(ろうばい)して...
海野十三 「省線電車の射撃手」
...狼狽を忘れて俺は恍惚としていた...
高見順 「いやな感じ」
...周章狼狽(しうしやうらうばい)であつた...
太宰治 「富嶽百景」
...中には狼狽(ろうばい)の余り彼に噛(か)みついたのがあった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...さすがの弁信も狼狽(ろうばい)して逃げ惑いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...我を忘れた狼狽の沙汰ではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...はっと狼狽したのも実は無理がない...
中里介山 「大菩薩峠」
...いたく狼狽(らうばい)した...
夏目漱石 「門」
...そして誰も今自分等がとった周章狼狽(しゅうしょうろうばい)のありさまを極り悪く思って笑い濁した...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...性急(せっかち)の父が先ず狼狽(あわ)て出して...
二葉亭四迷 「平凡」
...落第のことでも純吉は、大いに狼狽して、一寸世を味気なく思つたりしながら愴惶として、先づ祖母の許へ走つた...
牧野信一 「明るく・暗く」
...逃げまどう標的の狼狽する有様を見物するのが道楽である...
牧野信一 「ゼーロン」
...この無作法な身ごなしがわたしを狼狽(ろうばい)させたのはいうまでもない...
山本周五郎 「お繁」
...それで教授は狼狽しながらもいろいろと考えたが...
横光利一 「馬車」
...狼狽をきわめて城中へ溢れ返ってきた...
吉川英治 「三国志」
...親しゅうお顔を拝したいが」「あいや」家臣たちの狼狽気味はありありだった...
吉川英治 「私本太平記」
...四郎は狼狽して、「あっ……」奥へ身を退(ひ)いたが、その弾(はず)みに、床下の横木に頭をぶつけ、眼から火が出たような痛さを、顔をしかめて怺(こら)えていた...
吉川英治 「親鸞」
...「あっ……失(う)せたっ」狼狽の眼を...
吉川英治 「宮本武蔵」
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