...これに反(はん)して局部性(きよくぶせい)の大地震(おほぢしん)は規模(きぼ)狹小(きようしよう)であるが...
今村明恒 「地震の話」
...狹い範圍の空を仰いでゐる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...西山狹の橋と稱す...
大町桂月 「妙義山の五日」
...近江(おうみ)や若狹(わかさ)をまわって...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...自己及び自己の世界の下らなさ・狹さを知悉してゐる絶望的な金魚...
中島敦 「かめれおん日記」
...狹い庭には糠交りの麥が筵へ二枚干してあつて其先には鳳仙花がもさ/\と簇つて居る...
長塚節 「鉛筆日抄」
...狹い一局部に限られて居る人に過ぎないのだ...
長塚節 「教師」
...狹(せま)い往來(わうらい)を越(こ)えて櫟(くぬぎ)の落葉(おちば)が熊手(くまで)で掻(か)いたやうに聚(あつま)つて且(か)つ連(つらな)つて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...狹い拔け穴を潜つたと思はれる程のはありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...向柳原の叔母の家が急に狹くなつたからだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...出戻りで肩身を狹く暮してゐるから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...蔽はれて狹いのだ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...私は自分が小さな部屋の狹い寢臺(ベッド)にゐることを知つてゐたゞけである...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...そこは徑が大へん狹かつたので私たちは傍にどいてそのお孃さん達を先きに通らせた...
堀辰雄 「エトランジェ」
...この旅籠屋の庭も狹いが石燈籠や九輪塔があつて...
室生犀星 「京洛日記」
...これが狹義の人民(δημο)で...
森鴎外 「古い手帳から」
...距離は水上で狹まり閉づるやうに思はれた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...半双の屏風にも席を與へられない程な手狹まなのである...
吉川英治 「折々の記」
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