...肩身が狹いでせう? それこそ私たち夫婦の仲を打ちこはしてしまひますわ...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...狹き小路(こうじ)の行進にとざま...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...それは雨戸の僅かの隙間から、うす暗い夜の外景を見るやうなもので、視野は狹く、その上にはつきり見えないのです...
海野十三 「心靈研究會の怪」
...谷さまで狹からず...
大町桂月 「赤城山」
...彼の正直な狹い一徹の心は昏んでしまひました...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...其時丁度麁朶を滿載した船が白帆を張つて狹い渡し一杯になり相にして...
長塚節 「白甜瓜」
...狹(せま)い往來(わうらい)を越(こ)えて櫟(くぬぎ)の落葉(おちば)が熊手(くまで)で掻(か)いたやうに聚(あつま)つて且(か)つ連(つらな)つて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...彼(かれ)が勘次(かんじ)の小屋(こや)を覗(のぞ)いた時(とき)は低(ひく)く且(かつ)狹(せま)い入口(いりぐち)を自分(じぶん)の身體(からだ)が塞(ふさ)いで内(うち)を薄闇(うすぐら)くした...
長塚節 「土」
...(鹽原之山中蛤の化石を産す故に結末之に及ぶ)うみ苧集(一)二月二十五日筑波山に登りて夫婦餅を詠ずる歌并反歌狹衣の小筑波嶺ろは...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...狹い住居、もとより先刻の威勢の良い啖呵が、門口に立つて居た喜三郎に聞えなかつた筈はありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...寮の建物は數寄を凝(こら)して居る割合に狹いので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...狹い床の間には如意と書いた古い軸がさがつてゐた...
林芙美子 「風媒」
...その狹い平坦(へいたん)な額(ひたひ)には思慮などなく...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...狹(せま)い土地(とち)に大勢(おほぜい)の人(ひと)が住(す)み...
本多靜六 「森林と樹木と動物」
...第十驅逐隊「狹霧」「漣」「曉」を隨へ...
牧野信一 「緑の軍港」
...其の狹い區域にも霧の色が濃(こまやか)に見える……由三は死滅の境にでも踏込むだやうな感がして...
三島霜川 「昔の女」
...見聞の狹い「卑賤民」は雅號は單に下の名前丈を變へるものだと考へてゐるが...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...しかも狹隘な書齋にのみ多く日を消してゐる身なのに...
吉川英治 「折々の記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??