...評者は屹度歌といふものに就いて或狹い既成概念(きせいがいねん)を有つてる人に違ひない...
石川啄木 「歌のいろ/\」
...狹い範圍の空を仰いでゐる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...其の小く狹苦しい事は...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...狹い路地には二階建が相對して居るので此所の二階も光線が疎い...
長塚節 「開業醫」
...狹い路次を左手へ曲つた...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...縁側から狹(せま)い庭へ降りて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...狹い空地の前に建つてゐる...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...頬骨が高くて額が狹くて醜(みにく)いといふ程ではないにしても...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その狹斜が生んだ...
長谷川時雨 「花火と大川端」
...誠にせまい道徳――道徳といつてをかしければ、狹い自己滿足だ...
長谷川時雨 「凡愚姐御考」
...「あの方はデイマァ・ド・ロチスターと共に狹い大理石の住家を分け合つてゐらつしやるのだらうか?」この問ひに對して何らかの答がなくてはならない...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...狹(せま)い土地(とち)に大勢(おほぜい)の人(ひと)が住(す)み...
本多靜六 「森林と樹木と動物」
...肩身の狹いおもひをした...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...狹き經驗を尺度としたる談理なり...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...そして猶太人の既に神の民たる思想を狹しとし...
森鴎外 「古い手帳から」
...遙かに狹隘なことが明白にわかるやうな氣がする...
吉川英治 「折々の記」
...要するに書齋は、書齋として特にあらうがなからうが、その人の居る所が、書齋といへるし、なほさら、書齋號などは、あつても、なくつてもいいやうなものだが、自分の精神的な生活の重點であり、また日々夜々の仕事と、思想とを生む、神聖な一室である以上、どう狹からうが、汚なからうが、ひとりでに名のつくものなら、そこに何々書屋と、銘を打つても、これ又、ちつとも邪魔にはならない...
吉川英治 「折々の記」
...どんな狹い場所でも...
吉川英治 「折々の記」
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