...しかもそれが小汚い狡さと感じられる...
高見順 「いやな感じ」
...残忍なる、殺伐なる、狡猾なる、□買ひかぶられることは苦しい恥かしい...
種田山頭火 「其中日記」
...「狡獪極まる悪魔め! 狡獪者の悪魔め!」大佐は結局こうした言葉の外は何も云えなかった...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...狡黠猖獗(こうかつしょうけつ)の熟字は...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...」狡猾相(かうくわつさう)な主人は涎(よだれ)を流さん許りの表情を隠し得ずにかう云ひ乍ら彼の顔色を覗つた...
長與善郎 「青銅の基督」
...そうして一方では狡猾(ずる)い私を怒(いか)ると共に...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...従って我々の食物と飲物に狡く系統的な混ぜ物処理をして我々の金銭だけでなく健康と力を盗む者は罪が軽いのではなかろうか?彼は毎日の取引で法律を破っているのに罰せられないだけでなく...
アーサー・ヒル・ハッサル Arthur Hill Hassall, M.D. 水上茂樹訳 「食品とその混ぜ物処理」
...眼差は無心のようでもあり狡猾そうにも見え...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...蛇に似た狡猾(こうかつ)な光がちらついているようだった...
火野葦平 「花と龍」
...作り笑い、赤ら顔のにやけ、狡猾眼の人物は、あり得ない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...而(しか)も是れ彼が正直にして多感的なるを掩(おほ)はんとする狡獪(かうくわい)手段なるのみ...
山路愛山 「明治文学史」
...ごはんも炊(た)いちゃだめよ」そして彼女は狡(ずる)そうに笑って...
山本周五郎 「青べか物語」
...実にその狡猾さというものは」「いや狡猾なのは寧(むし)ろそのあとの振舞」と井上角兵衛が卵焼をのみこんで云った...
山本周五郎 「思い違い物語」
...右馬允貞盛の狡(ず)る賢い立ち廻り方にも...
吉川英治 「平の将門」
...周馬の狡(ずる)い脅(おど)しにすぎないことをみやぶった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...自分の名から申すのが礼儀じゃ」「おらは城太郎」「ホホホ」「狡(ずる)いな...
吉川英治 「宮本武蔵」
...狡猾(こうかつ)な搏打(ばくち)うちだろうか...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
...まことに狡猾極まる魔法にも等しかった...
渡辺温 「絵姿」
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