...どんな仕事でもするだろうね?」狡猾(こうかつ)な医者の女房は...
芥川龍之介 「仙人」
...高尚な決意と下劣な狡獪との争闘に...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...狡猾(こうかつ)の心から...
太宰治 「鴎」
...狡猾であり、詭計を以て掠め取るということ...
太宰治 「パウロの混乱」
...狡智に長(た)けたベナビデスの面(おもて)眼蒐(が)けて拳銃を発射する時の喜びばかりが擽(くすぐ)るように...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...狡(ずる)そうな色が掠(かす)めた...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...狡猾(こうかつ)なお人よしのふうをして...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...もっとも少なくそしてもっとも愉快に働こうとくふうしてる狡猾(こうかつ)児にすぎなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...他の図も無理遣りにその型の中に押し込めてしまうという狡い常套手段もちょっと用いられそうもない...
中谷宇吉郎 「鼠の湯治」
...貴方は寐(ね)ていて御金を取ろうとするから狡猾(こうかつ)よ」「御金を取ろうとした事は...
夏目漱石 「それから」
...お秋の悪戯(いたずら)っ娘(こ)らしい狡(ずる)そうな忍び笑いを見ると...
野村胡堂 「十字架観音」
...あの小さな狡猾さうな眼をした...
萩原朔太郎 「ニイチェに就いての雑感」
...明晰な頭脳・対・狡猾だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...何しろ狡(ずる)い奴だ! どんな卑怯な手を使うかわからねえ――ジーッと...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...油斷のない狡猾な注意を忘れなかつた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...狡猾(こうかつ)な微笑が刻みつけられていた...
山本周五郎 「青べか物語」
...彼の天分は別な面にあって実戦場ではむしろ狡将(こうしょう)と呼ぶべき方の者だろう...
吉川英治 「私本太平記」
...要するに差配の爺さんの我慾と狡猾とに我等は追はれたのであつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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