...彼が日々喪狗の如く市中を彷徨(うろつ)いて居る...
石川啄木 「葬列」
...古来天狗道と呼んで少からず人の懼(おそ)るる処である...
泉鏡花 「遺稿」
...今かく失主狗(はなれいぬ)となれども...
巌谷小波 「こがね丸」
...奇怪な天狗岩事件が持上ったわけである...
海野十三 「火星兵団」
...その薫を嗅いでゐるボロニユ産の小狗は...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...狗にも似たるわが故に...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...一人が「天狗業じゃ」と...
直木三十五 「南国太平記」
...その隙にお絹が天狗に浚(さら)われたのだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...天狗の麦飯とか、餓鬼の麦飯とかいい、食えるものだそうである...
中谷宇吉郎 「露伴先生と神仙道」
...じまん話をかいていると、つかれるぜ」ふりかえると、カッパ小僧、大天狗、小天狗、官女、ロクロッ首、見越の入道、さながら相馬(そうま)の古御所の妖怪変化が、うしろから、横から、もりあがるように重なりあって、八畳の部屋いっぱいに、ひしめくのです...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...呑みたいからというて矢鱈に水をあふることも許されず名状し難い陰気な泥酔状態を噛み殺して烏天狗のやうな顔つきを保つてゐることの苦渋を今や知る身となつてゐた...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...天狗の脚が弾道を描いて地に降りやうとする刹那に...
牧野信一 「バラルダ物語」
...天狗党の士達か、捕方ででもあるかと思っていると、そうではなくて付近の住民の百姓達と、この屋敷内の納屋に騒ぎを恐れて避難して来ていた老人、女、子供達の十人ばかりである...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...末造は金天狗(きんてんぐ)に火を附けた...
森鴎外 「雁」
...みんな狗(いぬ)の癖です...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...大天狗道に入らせようと努力しております...
夢野久作 「鼻の表現」
...九州では彦山の豊前(ぶぜん)坊、四国では白峯の相模坊、大山(たいせん)の伯耆(ほうき)坊、猪綱(いのつな)の三郎、富士太郎、大嶺の善鬼が一統、葛城天狗、高間山の一類、その他比良岳、横川岳、如意ヶ岳、高尾、愛宕の峯々に住む大天狗の配下に属する眷属(けんぞく)は、中天狗、小天狗、山水天狗、独天狗、赤天狗、青天狗、烏天狗、木(こ)っ葉(ぱ)天狗といったようなもの共で、今日でも盛んに江湖専門の道場を開いて天狗道を奨励し、又は八方に爪を展(の)ばし、翼を広げて、恰(あたか)も大道の塵(ちり)の如く、又は眼に見えぬ黴菌の如く、死ぬが死ぬまでも人間に取り付いております...
夢野久作 「鼻の表現」
...下妻で斬つた天狗の遺骸は皆此處に殘つてゐる筈だ...
横瀬夜雨 「天狗塚」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??