...「我(おいら)だって天狗の片翼を斬って落すくらいなら...
泉鏡花 「活人形」
...あの天狗岩事件や銀座事件で...
海野十三 「火星兵団」
...正(まさ)しく天狗だ...
江見水蔭 「怪異暗闇祭」
...「俺は本当の天狗だ...
江見水蔭 「怪異暗闇祭」
...銀座通りを馬車で通る赤服の岩谷天狗松平(いわやてんぐまつへい)氏を見掛けた記憶がある...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
... 185狗を遠ざけ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...欲を出してはいけません」と天狗は言いました...
豊島与志雄 「天狗の鼻」
...琵琶(びわ)の銘ある鏡の明かなるを忌(い)んで、叡山の天狗共が、宵(よい)に偸(ぬす)んだ神酒(みき)の酔(えい)に乗じて、曇れる気息(いき)を一面に吹き掛けたように――光るものの底に沈んだ上には、野と山にはびこる陽炎(かげろう)を巨人の絵の具皿にあつめて、ただ一刷(ひとはけ)に抹(なす)り付けた、瀲(れんえん)たる春色が、十里のほかに糢糊(もこ)と棚引(たなび)いている...
夏目漱石 「虞美人草」
...あたかも天狗(てんぐ)にさらわれた男のように無我夢中で飛びついて行くのです...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...それとも磐州祖父の世代から緊密につながったところのブルジョア的生産関係と交通関係に――関東においては坂下門事件・天狗党の幕末から福島・加波山・秩父・静岡の明治十年代自由党左派の決起に及ぶ一連の「事件」が士農工商の別なき人的構成の各末端において示し...
服部之総 「加波山」
...あれは上野の森の天狗だ天狗だ! といふやうなことを云ひ出す――そんな小品だつたが記憶に新しい...
牧野信一 「新興芸術派に就いての雑談」
...拙(つたな)い字で天狗連らしいちぐはぐな落語家の名前が...
正岡容 「小説 圓朝」
...熊野でも兎(うさぎ)を巫輩(みこども)狼を山の神また御客様など言い山中で天狗を天狗と呼ばず高様(たかさま)と言った...
南方熊楠 「十二支考」
...海狗(オットセイ)や蝦蟆(がま)同様...
南方熊楠 「十二支考」
...その形怪異で牛若丸の対手(あいて)としていつも負けている烏天狗や応竜の日本画に似...
南方熊楠 「十二支考」
...高の知れたる天狗党...
三好十郎 「斬られの仙太」
...買った、買った、買った、そら買った!(観客を市民に見立て、叫ぶ)今出たばかりの三州屋早刷り瓦版!(チョットろのあがきを小さくして立停った風になり)版でおこした墨がまだ乾き上がっていねえと言うしろものだ! 一枚三文、二枚で五文! 所は常陸の国、空っ風でおなじみの筑波の山は天狗党の一揆が大変じゃ大変じゃ! これぞ、早耳早学問、今出来たてのホヤホヤという瓦版が一枚三文とは安過ぎる! さ、買った、残りは僅か五十枚、売り切れてから買うんだったと出ベソを噛んでも追付かねえぜ! 三州屋の瓦版、これを知らなきゃ江戸っ児末代までの恥だっ! (また走り出す)リャリャリャ、さあ買った、買った、買ったっ! 天狗だ、天狗だ、天狗だっ! 水戸の天狗があばれ出したっ! いよいよ御若年寄田沼玄蕃の殿様が天狗征伐にお乗り出しだ!(手ぶり身振り)そうもそも、水戸の天狗と言ッぱ、天狗なり! 眼はランランとして鼻高く、色あくまで赤く、八面六臂(ピ)、声破れ鐘の如くウォーッと、アハハ、いや全くだ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...近ごろ諸天狗が出没するという怪聞でしょう...
吉川英治 「源頼朝」
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