...天狗(てんぐ)がどんな立派(りっぱ)な姿(すがた)に化(ば)けていても...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...天狗様の下男が清水を汲みに山一つ彼方(あなた)へといった体(てい)で...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...軒を伝って狗の通るように見えて物凄(ものすご)い...
泉鏡花 「婦系図」
...その後このことが天狗沙汰(ざた)となり...
井上円了 「おばけの正体」
...織部正も和歌にかけては昨今大いに天狗(てんぐ)になりかけている矢先ではあり...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...』神の姿のプリアモス老王即ち彼に曰ふ、 405『君は誠にアキリュウス、ペーレーデースの部下ならば、我れ君に乞ふ、全くの眞實われに打明けよ、舟の傍(かたへ)にわが子今横はれるや? アキリュウス彼の屍體をつんざきて狗の口腹充たせしや?』使アルゲープォンテース即ち答へて彼に曰ふ、 410『叟(おぢ)よ、心を安んぜよ、鷙鳥も狗も、未だ猶喰はず、彼は陣の中、アキルリウスの船近く、前の如くに横はる...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...黒と白とが彼天狗(てんぐ)犬(いぬ)を散々(さんざん)咬んで居た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...天狗様が、誰だ、そこで立聞きをしている奴は……と叱ったものですから、驚いてその盗賊が逃げようとしたが、板に耳がくっついてしまったものだから離れられないのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...「青梅綿(おうめわた)の蒲団を二枚通すのはえらい力だな」「こいつは天狗でなきゃ怨霊(おんりょう)ですぜ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――と天狗が声をかけるんだよ...
牧野信一 「熱い風」
...鬼、ひょっとこ、狐、天狗、将軍たちが、面をかむっていなくても鬼の面と化した大鬼を、遠巻きにして、一方を追えば一方から石を投げして、やがて芋畑は世にも奇妙な戦場と化した...
牧野信一 「鬼涙村」
...熊野地方では天狗が時に白鶏に化け現わるという...
南方熊楠 「十二支考」
...『中阿含経』に白狗が前世にわが児たりし者の家に生まれ...
南方熊楠 「十二支考」
...どこへお嫁に行くえ? 天狗様の所へかえ? おお...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...初は丁度軒下に生れた狗(いぬ)の子にふびんを掛けるやうに町内の人達がお惠下さいますので...
森鴎外 「高瀬舟」
...神官がやつつけられてゐるのは天狗黨に加はつた神職の多いことを暗示する...
横瀬夜雨 「天狗塚」
...下妻で斬つた天狗の遺骸は皆此處に殘つてゐる筈だ...
横瀬夜雨 「天狗塚」
...天狗(てんぐ)の腰掛松(こしかけまつ)の下にたった竹童(ちくどう)は...
吉川英治 「神州天馬侠」
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