...まるで狐つきださ」と云つておんつぁんは左程怪訝(けげん)に思ふ風もなかつた...
有島武郎 「骨」
...狐つきならで天狗つきとはこれらのことならん...
井上円了 「おばけの正体」
...君は狐つきの説を信ずる組かね...
海野十三 「宇宙戦隊」
...「狐つきの話をしろ」と云うと...
谷崎潤一郎 「紀伊国狐憑漆掻語」
...狐つきは固より、物の怪の崇りのこと、死霊や生霊のことなど、不可思議さには奥行きが知れない...
豊島与志雄 「憑きもの」
......
内藤鳴雪 「鳴雪句集」
...お悦は真赤な頬をふくらし乳母も共々、私に向って、狐つき、狐の祟り、狐の人を化(ばか)す事、伝通院(でんつういん)裏の沢蔵稲荷(たくぞういなり)の霊験(れいげん)なぞ、こまごまと話して聞かせるので、私は其頃よく人の云うこっくり様の占いなぞ思合せて、半(なか)ばは田崎の勇(ゆう)に組(くみ)して、一緒に狐退治に行きたいようにも思い、半ばは世にそう云う神秘もあるのか知らと疑いもしたのであった...
永井荷風 「狐」
...狐つきが落ちたような顔をしていたが...
野村胡堂 「胡堂百話」
...狐つき見たいになるのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その場合は狐つきぢやないかと自分の顏を悲しい凄(こは)いやうに眺めて...
長谷川時雨 「鏡二題」
...あれは狐つきの云う事でしょうね...
林芙美子 「新版 放浪記」
...狐つきして取り殺してやる...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...狐つきの話なんか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いわゆる狐つきという迷信をも生むに至ったのである...
柳田国男 「故郷七十年」
...狐つきや犬神筋などという特定の家系を捏造したり...
柳田国男 「故郷七十年」
...ぐッすりと深い寝息――やけのやん八のあばれ仕舞はいつも狐つきのように寝るものと相場がきまっていますが...
吉川英治 「江戸三国志」
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