...野鳥も打たれぬ風習に狎れ...
上村松園 「中支遊記」
...人に狎(な)れないように深甚な用意を払い...
谷譲次 「踊る地平線」
...愛に狎(な)れた彼女の乱舞を許さない清川の理智的(りちてき)であることを証明しているようなものだが...
徳田秋声 「仮装人物」
...そしてしだいに狎(な)れ狎れしくしだした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...狎昵(こうじつ)の境(さかい)を越えて寧(むしろ)放濫(ほうらん)に走る嫌いがあった...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...蚊のわめく溝際(どぶぎわ)の家で狎(な)れ(した)しんだばかり...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...狎合(なれあ)いだか知れないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...だけれども下宿屋の婆さんがいつたやうに何處かに狎れ難い處があつた...
長塚節 「教師」
...それでも他の客と異つてどつしりした態度が青年には稀な狎れ難い所があるので不審とでもいふのか女は一寸こんなことを噺しかけて稍情を含んだ眼で時々彼を偸み視た...
長塚節 「商機」
...この無人の境では空と地とが狎れ合つてのどかに戲れてゐるやうだ...
長谷川時雨 「春」
...いつも狎れ狎れしく話しかけるし...
原民喜 「小さな村」
...折節は狎々(なれなれ)しく物など言いかけられて見れば...
二葉亭四迷 「浮雲」
...夜はすなわち狎処(こうしょ)した...
南方熊楠 「十二支考」
...「あんなに狎(な)れ狎れしいやつは見たことがない...
山本周五郎 「思い違い物語」
...目的のために狎(な)れ合った郭と李の聯合勢が...
吉川英治 「三国志」
...時流に驚かない無関心に狎(な)れている人間は...
吉川英治 「新書太閤記」
...公卿扱いに狎(な)れた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...八ツ当りに当った時と慢心の味に狎(な)れて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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