...その前に立つと、私は一瞬のうちに、蓬、萱、野菊、犬蓼、杉菜、露草、すいつぱ――といつたやうな、刈り倒された草の名を珠数つなぎに思ひ浮かべて、それぞれの草の持つてゐる思想を、踏まれても、引きちぎられても、伸びずにはおかないその生命の髄を嗅ぎ知るのみならず、どうかすると、これらの雑草の歯ざはりまで味はひ得たやうな気持がすることがあります...
薄田泣菫 「草の親しみ」
...薄紅の犬蓼(いぬたで)や...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...犬蓼(いぬたで)の赤い花の上に座ってお萩をたべる子供たちの...
長谷川時雨 「西川小りん」
...そしてその辛味のないものを犬蓼(イヌタデ)と称する...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...犬蓼の花くふ馬や茶の煙店さきの柿の実つゝく烏かな名物ありやと問えば力餅というものなりとて大きなる餅の焼きたるを二ッ三ッ盆に盛り来る...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...頭だけ出している小さな犬蓼(いぬたで)の...
夢野久作 「木魂」
...犬蓼(いぬたで)の花と一所(いっしょ)に思い出す...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...私の側(そば)に立つて紅(あか)い涙を著(つ)けたやうなひとむらの犬蓼(いぬたで)の花...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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