...人或は病なくして犬を牽(ひ)き兎を逐(お)ひ...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...牽牛織女(けんぎゅうしょくじょ)はあの中に見出す事は出来ません...
芥川龍之介 「神神の微笑」
...また太陽星雲から諸遊星が形成される際にその牽引の中心となった物は外界から来たものだという前記の想像の中にも認知されるのである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...腐った下の帯に乳鑵二箇を負ひ三箇のバケツを片手に捧げ片手に牛を牽いている...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...然(しか)るにこの大勢力ある金港堂が一大小説雑誌を発行するに方(あた)って如何(いか)なる大作家でも招き得られるのに漸(やっ)と二十歳(はたち)を越えたばかりの美妙を聘(へい)して主筆の椅子(いす)を与えたのは美妙の人気が十分読者を牽(ひ)くに足るを認めたからであろう...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...気持はそばで鳴っているラジオに牽(ひ)きつけられていた...
梅崎春生 「黄色い日日」
...どこにも女の心を牽(ひ)きつけるやうな力は見えなかつたので...
薄田泣菫 「茶話」
......
関口存男 「移轍(Anakoluth)」
...大凧が充分に風をはらんで揚がる時は若者の二人や三人は引きずられるくらいの強い牽引力(けんいんりょく)をもっている...
寺田寅彦 「田園雑感」
...牽引を感じたりするようなものが何もなかったのだ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...絶えず新しきものに牽きつけらるゝかの熱烈なる好奇心を以て...
永井荷風 「佛蘭西人の觀たる鴎外先生」
...或は向の川岸で怪し気な女に袖(そで)を牽(ひ)かれたとか...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...長々と谷間伝いを根限り戻り舟を牽(ひ)いて来る...
夏目漱石 「虞美人草」
...やがてその牧舍の陰から馬に牽かせた車が現れて...
「修道院の秋」
...ガラッ八の八五郎を牽制しておりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...彼の賞讃と注意とは彼の無關心以上に私を牽制(けんせい)した...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...終局に於いて成し遂げ得たかと云う全過程に深い愛と牽引を感じます...
宮本百合子 「大橋房子様へ」
...なぜ真紀子の身体が自分をこんなに牽きつけるのであろう...
横光利一 「旅愁」
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