...自分は此等の點にトルストイの主張と思索との態度の極めて特異なるものあることを認めざるを得ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...最初に君の注意を引いた特異な事物も...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...手紙文といふ特異な文體...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...趣味の方面においては特異なる作曲をもって聞こえ...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...渋柿)四 連句の心理と夢の心理連句の付け合いに関する心理的過程には普通文学における創作心理に比べてよほど特異なものがあるであろう...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...すがすがしいくらいに特異な事件です...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「赤毛連盟」
...所謂匿名批評の特異な点は寧ろもっと別な処に横たわる...
戸坂潤 「思想としての文学」
...教学主義は日本に於て今日特異な文化的用途を持っている...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...特異な詩人である...
豊島与志雄 「「草野心平詩集」解説」
...最も特異な文章を書く芸術作家として...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...日本文学中にあって特異なものであるばかりでなく...
中島敦 「鏡花氏の文章」
...晩秋のうそ寒い川風の中をトボトボと辿り行くであらう寂しい葬送行進曲! それが明治文學史にあれほど特異な存在を刻みつけた文人の人生への告別だつたのだ...
南部修太郎 「日曜日から日曜日まで」
...そうした特異な部落を称して...
萩原朔太郎 「猫町」
...「ウォルター・ペイターは少数の中の特異な芸術家で...
林芙美子 「新版 放浪記」
...「特異な例だが、あるにはあるんだ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...けれども鋭いほうの声に関しては、その特異な点は、――彼らの意見が異なっていたということではなくて――イタリア人と、イギリス人と、スペイン人と、オランダ人と、フランス人とがそれを説明しようとしているのに、めいめいがみんなそれを外国人の声だと言っていることなのだ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...かつこの特異な意味を有(も)つ科に対して極めて適切な和語が見付らないのであったからだ...
牧野富太郎 「植物記」
...あっけなくほろび去ってしまう――この特異ないきさつのなかに...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
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