...彼の特異な体質と感性とに基づいての観察を飾りなしに極めて自然に表白して居るためであろう...
石井柏亭 「大切な雰囲気」
...なにかしら特異な才能のある夫にかしずくことの苦労をそれとなく誇っているのにちがいないと思ったのである...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...手紙文という特異な文体...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...この詩人はまったく特異な個性の持主だ...
辻潤 「惰眠洞妄語」
...その二人で代表された特異な夫婦間の情味にかかっているというのが定評となっているようである...
寺田寅彦 「映画雑感(※[#ローマ数字7、1-13-27])」
...日本人の特異な自然観の特異性をある一方面に分化させ...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...渋柿)四 連句の心理と夢の心理連句の付け合いに関する心理的過程には普通文学における創作心理に比べてよほど特異なものがあるであろう...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...一般のインテリゲンチャに対して学生層が有っているこうした特異な点が...
戸坂潤 「技術の哲学」
...何故特異な一時代であるか...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...併しこの哲学に特異な点を説明することは後にして...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...之に反してこの普通一般で割って割り切れない剰余をば特異な偶然と考えている...
戸坂潤 「思想としての文学」
...この特異な文化は...
中谷宇吉郎 「日本のこころ」
...この特異な美しさこそ...
野間清六 「百済観音と夢殿観音と中宮寺弥勒」
...しかし私は特異な文體を工夫して...
萩原朔太郎 「宿命」
...セガンティニのような特異な絵はやはり注意して見ていたものと見える...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...女の首を絞め付けるという特異な快感を味(あじわ)いたい……という願望のために...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...このような情態は矢代はいつもここで眼にすることであったから別に特異な風景とも思わなかったが...
横光利一 「旅愁」
...横浜文化のそういう特異な面もちょっと嗅ぎえたし...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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