...それが本当に自己の内奥に潜む力の発現として作家を容型しているものならばたとえ似交(にかよ)った多くの美人画の中にも厳然と相容(い)れざる特異な相が現われていなければなりません...
上村松園 「雷同性に富む現代女流画家」
...趣味の方面においては特異なる作曲をもって聞こえ...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...眼玉の出た神経的な特異な眼に記憶があった...
田中貢太郎 「変災序記」
...たゞ此の本の特異な点は...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...辨天島は特異な存在である...
種田山頭火 「旅日記」
...特異なる民族生活の特異なる事実であり...
津田左右吉 「日本上代史の研究に関する二、三の傾向について」
...断えず動いてゐる生活は一刻ごとにそれ/\の特異な姿をもち特異なはたらきをするので...
津田左右吉 「歴史とは何か」
...映画のスクリーンの平面の上に写し出される光と影の世界は現実のわれらの世界とは非常にかけはなれた特異なものであって両者の間の肖似はむしろきわめてわずかなものである...
寺田寅彦 「映画の世界像」
...ジャーナリズムの一つの特異な相が発達して来るのである...
寺田寅彦 「ジャーナリズム雑感」
...本編の初めに述べたように俳句という特異な詩形の内容と形式の中に日本民族の過去の精神生活のほとんど全部がコンデンスされエキストラクトされている...
寺田寅彦 「俳句の精神」
...それはとに角としてこうやって夫々特異な資格を以て生活を営んでいる国民は...
戸坂潤 「近衛内閣の常識性」
...産業革命主義者やもっとも特異な新進著作家などのうちに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...わが祖先ののこした一つの特異な文化財と言えよう...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...かなり特異な風を具へてゐた...
北條民雄 「青年」
...「だが証言の特異な点じゃない...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...この人の今後の年一年は特異な話術世界への開拓があり...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...もっぱら玄徳軍の財務経理を担当して来たという帷幕(いばく)の中でも一種特異な人材であった...
吉川英治 「三国志」
...理由はいろいろあるがやはり太平記そのものの持つ特異な性格にほかならない...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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