...――その夫婦はまことに物静かな夫婦でした...
犬養健 「亜剌比亜人エルアフイ」
...物静かな京都の街なかでもこんな風にお前はお前...
上村松園 「中支遊記」
...二人の男が物静かな会話をつづけていたそれを聞くともなしに...
海野十三 「火葬国風景」
...まことに物静かな...
太宰治 「黄村先生言行録」
...あの、笹島(ささじま)先生がこの家へあらわれる迄(まで)はそれでも、奥さまの交際は、ご主人の御親戚とか奥さまの身内とかいうお方たちに限られ、ご主人が南洋の島においでになった後でも、生活のほうは、奥さまのお里から充分の仕送りもあって、わりに気楽で、物静かな、謂(い)わばお上品なくらしでございましたのに、あの、笹島先生などが見えるようになってから、滅茶苦茶になりました...
太宰治 「饗応夫人」
...彼女は物静かな、気だてのやさしい、情けぶかい娘さんで、柔和なおだやかな眸(ひとみ)をして、はちきれんばかりに健康だった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「可愛い女」
...私もやっぱり女の起居(たちい)振舞などのしっとりして物静かなところが不思議に気に入っているのであった...
近松秋江 「霜凍る宵」
...わざと眼を塞(ふさ)いでいるこの人の物静かなのを見ただけでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...案外平凡な物静かな女を見出して...
中島敦 「妖氛録」
...物静かな調子ながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...陰鬱とも言えるような物静かな口調で...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...この爺やには矢っ張私と同じような物静かな娘に見えていたのだったろう...
堀辰雄 「菜穂子」
...そしてその中には、物静かな、小ぢんまりとした環境に生きている素朴な人達の、何物にも煩わせられない、自足した生活だけの描かれることが要求されている...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...物静かな空気が鼓膜に感じない前に...
松永延造 「職工と微笑」
...物静かな声で問うた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...諸君のかくも物静かな...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...いかに質素なまた物静かな祭の形であろうとも...
柳田国男 「年中行事覚書」
...物静かな寝顔であった...
蘭郁二郎 「息を止める男」
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