...物静かな薄暗をつくっていた...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...ABは戦車の運転手だったそうで、いわば歴戦の勇士なのだが、実に物静かで、黙々と死体の運搬をやった...
石川欣一 「比島投降記」
...いと物静かに燃えて見える...
石川啄木 「葬列」
...主人の亡い家に争はれぬ物静かさを持つた...
犬養健 「朧夜」
...物静かなる死の如く...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...二人の男が物静かな会話をつづけていたそれを聞くともなしに...
海野十三 「火葬国風景」
...あの、笹島(ささじま)先生がこの家へあらわれる迄(まで)はそれでも、奥さまの交際は、ご主人の御親戚とか奥さまの身内とかいうお方たちに限られ、ご主人が南洋の島においでになった後でも、生活のほうは、奥さまのお里から充分の仕送りもあって、わりに気楽で、物静かな、謂(い)わばお上品なくらしでございましたのに、あの、笹島先生などが見えるようになってから、滅茶苦茶になりました...
太宰治 「饗応夫人」
...彼はシリア人らしい物静かさでその女のスタディを開始しました...
谷譲次 「踊る地平線」
...物静かな女中の給仕で沼の鯉(こい)...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...その口から出る声がばかに物静かで細かった...
豊島与志雄 「田舎者」
...そして至る所物静かだった...
豊島与志雄 「帰京記」
...秋の更(ふ)くるに任すがごとく邸内は物静かである...
夏目漱石 「野分」
...心の底の思いを告白するといった物静かなささやきに...
久生十蘭 「青髯二百八十三人の妻」
...この爺やにはやっぱり私と同じような物静かな娘に見えていたのだったろう...
堀辰雄 「楡の家」
...叡智で物静かな人品である...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...私は諸口さんの忍び笑いの意味がハッキリわかると一緒に、この物静かな、何気ないような肺病娘にも、マダム丘子と似た血潮の流れているのを知って、フトいやあな気持になった...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
...物静かな寝顔であった...
蘭郁二郎 「息を止める男」
...」彼れは物静かに悠々と話している...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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