...私はその暗黒海底を巧みに利用して、その物陰から、敵の潜水艦に向って、一発の水中榴弾を撃ちだしたのであった...
海野十三 「地球要塞」
...すると、煤ばんだ天井の孔から、物陰から、家中の鼠が次から次へと数珠つなぎにぞろぞろと這ひ出して来て、庭先に小さな頭を押し並べた...
薄田泣菫 「独楽園」
...ふいに物陰から女が現れ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「土色の顔」
...物陰から出てきて言った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ピストルをとりあげる物陰から風のように現れると起(た)ち上がる亜細亜新聞記者東山一雄という俺の人格はすっかり消えてなくなって...
平林初之輔 「探偵戯曲 仮面の男」
...物陰からスライトが現れた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...一同が広々とした畷(なわて)へ出て、村の入口に架(かか)っている小さな橋を渡ろうとすると、突然物陰から、飛白(かすり)のよれよれの衣物(きもの)を着た味噌歯(みそっぱ)の少年が飛出して来て、一番背の高い自分に喰付こうとした...
松本泰 「秘められたる挿話」
...祖母の話を物陰から聞いた事...
森鴎外 「最後の一句」
...物陰から立出て来ると...
吉川英治 「剣の四君子」
...物陰から呶鳴られて...
吉川英治 「三国志」
...楽進(がくしん)のふたりは物陰からそれを見ていた...
吉川英治 「三国志」
...物陰から竹槍をつけた土寇(どこう)の徒が...
吉川英治 「新書太閤記」
...蒲団部屋の物陰から逃げ出して行った年老(と)った侍が二人...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...どこかそこらの物陰から...
吉川英治 「源頼朝」
...薄暗い物陰からのみ隙見している...
吉川英治 「源頼朝」
...「……?」物陰から窺(うかが)っている者たちから見ると...
吉川英治 「宮本武蔵」
...最初に物陰から鉄砲を撃った者を...
吉川英治 「宮本武蔵」
...物陰から顔を出していた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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